生地はロットとロールによって、色が微妙に違うので注意が必要です。|ラオ...

生地はロットとロールによって、色が微妙に違うので注意が必要です。|ラオス縫製工場の日常

※当コンテンツはCBC Laoの提供でお届けいたします。

 

ツイルやデニムなどの生地を使って、縫製するときには、すべてのパーツに番号を振ります。

例えば、シャツであれば前身頃が、後身頃、ヨーク、前たて、台襟と衿、袖と袖口、ポケットなどのパーツからなっています。

そして、延反(生地をしたの写真のように重ねていくこと)したときに、同じ段のパーツ同士で縫製されるように各パーツに番号をふっていきます。

縫製するときには、同じ番号のパーツ同士を、縫い合わせて行きます。

※延反の様子
ラオス小ロット01

※各パーツに数字を書いている様子
ラオス小ロット02

なぜ、そんなことをするのかというと、ロットやロールによって、微妙に色が違ってくるからです。

各パーツに番号を書かずに、適当に各パーツを組み合わせて縫製していくと、シャツの右側と左側で色が微妙に違うシャツなどがでてきてしまいます。(しかも、この色の違いが、洗い加工の前は同じ色だったのに、洗い加工後に表れることがあります。)

 

※ロット:生地を作る時タイミングが一緒の生地のことです。例えば、1,500mの生地を作って、100mのロールを15本作った場合には、この15本は同一ロットを呼びます。

※ロール:生地は、50mだとか、100mだとかが、ロール状になって、縫製工場に入っていきます。

 

アパレル会社さんからオーダーに基づいて、生地会社に特注で作る生地は、生地を作る前に、色見本を作って、それをアパレル会社で確認して、それから生地を作る作業に入っていくので、ロットが違ってもほぼ同じ色に仕上がってきます。

正確には、そのときの気温や湿度、糸の状態などによって出来上がってくる生地の色がほんの少し違ってくるので、ロット違いの生地を並べて、よ〜くよ〜く見比べてれば色の違いが分かったります。しかし、その違いは小さなものであることがほとんどです。

なので、異なるロットの生地を使っても、ロット違い問題は起こることはほとんどありません。

 

それに対して、市販の生地はときどきロット違いの問題が起こります。

同じ名前の同じ番号の生地であっても(例えば、KPM8000という生地の12番など)、買うタイミングによってロット違いが生じ、色が違うことあります。

パット見には同じ色なのですが、異なるロールの生地を並べてみると色の違いが分かったります。

同じ名前の同じ番号の生地の残反があり、足りない分だけオーダーして新たに商品を作ろうとした時に、古い生地(とっても数ヶ月前)と新しく入荷した生地で色が違っていることがたまにあります。

SとMで、色の濃さが違うなんてことは許されないので、そんなときは足りない分の生地を新たに買わなければなりません。市販の生地のロット違いによる色の違いは、アパレル会社さんのオーダーに基づいてオーダーをかける生地のロット違いの色の差と比べて、色の違いが大きいです。

 

また、ツイルだと、同一のロットであれば、すべてのロールの色が一緒ですが、デニムだと同一ロットでもロールによって色が違うことがあります。

もっと言えば、デニムの場合、同一ロールでも、ロールの最初と最後で色が違うことがあります。

しかも、その色の違いが洗い加工を施した後にしか分からなかったります。

なので、デニムを使った商品を縫製する場合には、裁断後に各パーツに番号を振るときには、特に細心の注意を払って、延反したときに同じ段の生地で縫製するようにしなければなりません!!

 

出典:海外ラオスにある小ロットを得意とする縫製工場


アペルザニュース編集部です。日本の製造業、ものづくり産業の活性化を目指し、日々がんばっています。