安全基準|元トヨタマンの目
トヨタの工場では、決められた保護具をつけずに工場へ入ったら、そこらの作業者に怒鳴られる。帽子、安全靴、ヘルメット(工程により必要)などだ。帽子に関しては、長い髪の女性はまとめて帽子の中に入れれるように、後ろ部分が大きくなっている。髪の毛は機械に巻き込まれる危険があるため、絶対に必携だ。
それが、中国・韓国では帽子をかぶらない会社ばかりだ。ある中国の大企業に国家主席を招いた時の写真があったが、彼や社長など要人はヘルメットをかぶっているのに、その取り巻きにいる連中は帽子すらかぶっていないではないか。その工場は、トヨタでいえば全員がヘルメット着用義務にあたる工程だ。考えさせられてしまった。
なぜ、決められた保護具を絶対につけさすのか。
ところで、ゴルフ場でボールが頭にあたる事故があった。一流のプロでも一度飛ばした打球は正確なコントロールはできない。できれば毎回優勝だろう。ましてや普通のゴルフ場などうまくない人達だらけなのだから、いつなんどきどこから玉が飛んでくるかわからない。
トヨタの工場の安全基準からみれば、ヘルメット着用義務が発生する工程に相当すると判断される。いや、現にそれ以上に危険だ。なのにヘルメット着用の義務がない。
今回のような事故は非常に多いらしく、裁判にも多くなっているそうだ。私が裁判長なら「・・・今後はヘルメット着用せよ」ということを判決文の最後に盛り込むだろう。アイスホッケー、テコンドー、アメリカンフットボール、野球のキャッチャーなどヘルメットなどの保護具をつけているではないか。
ゴルフの試合ならば、ギャラリーも含め全員が1つのボールの軌跡を追うのだから危険は少ないかもしれないが、普通のゴルフ場の客がどんどん順番にプレーしていくような場合は、本当に考える必要があるのではないだろうか。
元トヨタマンの目
トヨタ生産コンサルティング株式会社