ソフトウェア不要でBLDCモーターを効率的に制御する方法は?

ソフトウェア不要でBLDCモーターを効率的に制御する方法は?

単相・ブラシレスDC(BLDC)モーターは、送風機を駆動する安価な方法を提供しています。しかし、部品(BoM)コストは低くても、単相BLDCモーターには、比較的低い効率性、トルクのリップルによる騒音や振動など、いくつかの小さな欠点があります。
 
逆に、単相BLDCモーターのように機械的な整流子が不要で精巧な三相BLDCモーターは、機械的な摩耗がなく、稼働寿命が長いため、信頼性がはるかに大きく、より高い効率性を維持できるため人気が高まっています。
 
特に三相BLDCモーターの場合、正しいトルクを磁気回転子にもたらす回転磁場を生み出すために、ドライバは、固定子コイルに対する回転子の角度と位置を判断しなければなりません。3個のホールセンサを備えた制御回路は、三相BLDCモーターを最適な性能で駆動できます。センサデータを的確なタイミングと組み合わせることにより、正確な速度とトルク制御、明確な性能向上を実現することができます。センサの1つである光学エンコーダーは、位置のフィードバックを提供できますが、特に過酷な環境に耐えるほど頑丈ではありません。
 
固定子巻線における逆起電力を測定することによって回転子の位置を検知できるマイクロコントローラを使用することにより、センサレス制御方法を実現できます。このアプローチは、コントローラの価格の下落が続くとともに魅力が増しています。センサレス制御は、必要な部品とスペースが少ないため、効率的でコンパクトなソリューションを可能にします。
 
しかし、このアプローチには、特に台形のドライバ波形が、静かで円滑なモーター駆動が必要な場所で正弦波形に置き代わられることに起因する課題があります。正弦波形におけるセンサレス制御には複雑なドライブシステムが必要であり、これはソフトウェア/コード生成の深い知識が不足しているとか、BLDCパラメータを評価および調整する技法に十分慣れていないような経験の浅い技術者には手におえないことがあります。
 
新しい方法では、モーターはタイミング信号を生成する1つのホールセンサに依存しています。これにより、シーケンス制御装置は電圧の正弦波形を増大させるaPWMパルスを生成します。この「ソフトウェア不要」の手法では、ソフトウェア開発もパラメータ調整も必要ありません。MCUが不要であるため、BLDCモータードライバを簡単に素早く導入できるようになります。
 
このアプローチに基づき、オン・セミコンダクターはソフトウェア不要で制御を実現できる画期的な三相BLDCモータードライバICを開発しました。LV8813ドライバによりMCUベースの制御が不要になり、必要なのは1つのホールセンサだけです。速度のフィードバック制御は、速度レギュレータICであるLB8503と共に組み込まれているため、モーター稼働時の速度を正確に応答制御できます。
 
リードアングル・パラメータは、電圧入力により設定され、その後に外部的に調整されて最大限の効率性を達成します。LV8813は、モーターの物理的な特性とアプリケーションの負荷特性に基づいて消費電力を最適化します。このデバイスは、コンパクトな20ピンTSSOPで提供されるため、家電、プロジェクタ、デスクトップPCの冷却ファンに非常に適しています
モーター駆動
 
出典:『ソフトウェア不要でBLDCモーターを効率的に制御する方法は?』オン・セミコンダクター


アペルザニュース編集部です。日本の製造業、ものづくり産業の活性化を目指し、日々がんばっています。