汎用旋盤、セーパーの適正価格
こんにちは。
少し前の話ですが、汎用旋盤とセーパー使ってた職人さんが、高齢のためあと半年で退社されるので、加工してくれるところ探していると、D社さんが来社されました。似た話をよく聞きますが、問題は価格です。
おそらく延長雇用職人さんの給料が出れば良い位の設定だったと思いますが、それでは現役職人はやっていけません。ここのところ、昔の技術を求めて声を掛けてもらってますが、価格の再評価が次の課題かと思います。
「年金もらいながら、小遣い程度の給料や工賃」でやっていたのを適正価格に戻してもらわないと、技術に対しての評価自体が誤ったものとなってしまうような気がします。
それぞれに事情がありますので仕方ないのですが、このような仕事?の仕方や価格を基準としては、社会全体的に見てもいかがなものかと思います。現役の職人方(特に昔の技術を持っている方)の生活が成り立たなくなり、製造業界が衰退の方向に向いているように思います。
NC機の普及につれて、個人の技術力の低下が明確になってきています。人口知能やロボットも同類だと思ってます。言葉、文字、数値、画像、映像などに現すことの出来ない技術をあまりにも軽視しすぎているのではないでしょうか。やがては、人間能力の否定につながらないかとも思っています。悲しいことと思います。
人工知能やロボットあるいは最先端の工作機械を否定しているのではなく、それらを支えている基礎の技術を軽視しすぎだと私は思います。この基礎の技術を適正に評価する為に、昔の技術を使った仕事の価値(価格)の再評価が必要だと思います。そうしないと、先輩職人方より長年伝承されてきた技術が途絶えてしまいます。