面接審査って必要ですか!?
1. クライアントからの連絡
「これは重要案件だから、面接審査にしたい」とクライアントから連絡が入りました。
この案件、クライアントのヒット商品に搭載されている技術に関する特許出願で、できるだけ広く権利化したいところ。1回目の拒絶理由通知を受けている最中で、拒絶の理由は、拡大先願、新規性、進歩性のトリプル。
面接ガイドラインには、電話等によって審査官に対して面接の要請ができるとあります。
2. 審査官に電話
私にとって面接の要請は初めてのことでしたので、少し緊張しながら、電話をしました。
私「拒絶理由通知を受けています特願0000-000000について、面接審査をしていただきたいのですが」
審査官「…。面接審査で何をしたいのですか」
私「…。事前にクレームの補正案を送らせていただきますので、そのクレームが拒絶の理由を解消しているかどうか心証を聞かせてほしいと考えています」
3. まさかの反応
審査官「だったら、電話とFAXで十分にできますよ。時間もかかりますし、わざわざ面接審査をする必要性があるとは思えません。どうしても会って技術説明をしたいと言われるのであれば絶対にやらないとは言いませんが・・・どうですか?」
(えーーーーーー!!!!正式に手続補正書や意見書を提出しなくても、進歩性やら、拡大先願やら、全部心証を電話で教えてくれるって事ですか…いいんですか!!!)
私「電話であっても拒絶の理由を解消しているかの心証をお聞かせいただけるのであれば、確かに面接する必要はないと思います…」
私「では、補正案をFAXしますので見ていただけますようお願いします」
4. 審査官は忙しい
後日、電話にて、補正案の内容で拒絶の理由は解消されているとの心証を教えていただきました。
まさか人生初の面接審査の要請が断られるとは思ってもみませんでした。代理人としてはどことなくかっこ悪いし…。
あとから気づいたのですが、私が面接審査の要請をした月は、審査官の職場が移転する月だったようで、審査官はかなり忙しい中で最善の対応をしてくれたようです。ありがとうございました。
電話とFAXでどこまで教えてくれるかは審査官次第だと思いますが、今後も必要に応じて審査官に電話をかけ、クライアントに有利な結果が得られるよう心がけていきます。
出典: 『面接審査って必要ですか!?』(『発明plus〔旧:開発NEXT〕)