インクジェット用語集(か行)

インクジェット用語集(か行)

インクジェットに関する用語をまとめた用語集です。

 

界面活性剤
英文表記:surfactant
界面活性剤とは、少量の添加でインクの表面張力などの界面現象を制御できる物質を指す。構造中に親水基と親油基を有することが特徴で、インクの浸透力調整剤、顔料分散剤などとしても使用される。

 

核沸騰
英文表記:nucleation boiling
核沸騰とは、液体を加熱して沸点に達したときに起こる沸騰現象のこと。液体内部でランダムに気泡核が発生・成長する。発生した気泡の内圧は1気圧であるため自発的に消泡しない。バブル(サーマル)ジェット方式ではノズル内に核沸騰の気泡が発生すると吐出の妨げになる。

 

荷電制御式インクジェット
英文表記:continuous type inkjet
荷電制御式インクジェットとは、インクを連続的に噴射し粒子化すると共に、インク滴に電荷を与え、偏向電極によりインク滴の飛翔方向を荷電量に応じて変化させることで記録粒子、非記録粒子に分けて記録を行うインクジェット記録方式をいう。記録に使用されなかったインクは回収され再利用される。(=連続噴射式インクジェット)
 

カプセルインク
英文表記:capsuled ink
カプセルインクとは、インクジェットインクにおいて、色材がどのような形態でインク中に存在するかをモデル化した表現。顔料を分散剤を用いてインク中に単純に分散させた形態に対して、分散性の樹脂粒子中に染料や顔料を内包させた形態や、顔料表面に分散性の樹脂層を積極的に形成させ形態をいう。
 

顔料インク
英文表記:pigmented ink
顔料インクとは、色材として顔料を含有するインクをいう。染料インクに比べ耐水性、耐光性に優れるが、擦過性に劣る場合がある。一般に、ブラックにはカーボンブラック、カラーには有機顔料が使用されている。
 

インクジェット普通紙
英文表記:inkjet plain paper
インクジェット普通紙とは、インクジェット記録適正を有する普通紙で、インクの定着性、滲みの制御、耐水性向上などの性能が考慮され設計されている。ノンコートタイプと極微量の表面コーティングが施されているタイプのものがある。

 

気泡
英文表記:bubble
気泡とは、バブルジェットにおいては膜沸騰の瞬間的な高圧による気泡の生成/成長/収縮/消滅が吐出の原動力である。一方で、ノズル内に定在する気泡はアクチュエータでの発生圧力を吸収してしまうため、インクの吐出にとって障害となる。そのために様々な気泡の防止手段や除去手段が講じられる。

 

キャビテーション
英文表記:cavitation
キャビテーションとは、内部が真空に近い液体中の微小気泡が消泡する際の衝撃により近傍の物体が破損する現象のこと。バブルジェットの気泡が消泡する際の衝撃がヒーターを破壊するのを防ぐためにヒーター表面に保護膜を設けている。

 

グールド型ピエゾヘッド
英文表記:Gould’s head
グールド型ピエゾヘッドとは、円筒型圧電体チューブの内面と外面に形成された電極間に電圧を印加することで圧電体チューブを収縮させ、チューブ内を満たすインクを搾り出すようにしてチューブの一端に接続したノズルからインク滴を噴射するインクジェットヘッドのこと。squeeze mode piezo head とも呼ばれる。

 

光沢紙
英文表記:glossy paper
光沢紙とは、インクジェット記録適性を持った光沢のある紙のことで、ポリマーを主成分としたインク膨潤型(膨潤型受容層)と無機顔料を主成分とした隙間吸収型(マイクロポーラス型受容層)とに大別される。前者は比較的安価ではあるが、乾燥が遅い、耐水性に乏しいといった欠点が見られるのに対し、後者は最表面がサブミクロン程度の細孔からなっており、瞬時にインク吸収しつつ光沢を保持できるため、写真調の質感を与える。白PETフィルム上に上記インク受容層を設けたものを光沢フィルム(glossy film)と呼ぶ。(=インクジェット用光沢紙)

 

コゲ
英文表記:kogation
コゲとは、サーマルインクジェット方式において、発泡を繰り返すことによりノズル内のヒータ表面に堆積する有機または無機物質をいう。ヒータからインクへの熱伝導を妨げる要因となる。主に、インク中に含まれる不純物や熱分解によって不溶化した成分が原因となる。

 

固体インク
英文表記:solid ink
固体インクとは、常温では固体であるが、一般に80℃以上の高温では液体となるインクをいう。ホットメルトインク、ソリッドインクとも呼ばれ、記録紙上で高い光学濃度が得られる。
 

固体インクジェット
英文表記:solid ink jet system
固体インクジェットとは、常温で固体のソリッドインクを高温にして液体状態に保持しながら吐出を行い、記録媒体上で急速に固化させ、色材を定着させるインクジェット記録方式を指す。液体インクを用いる場合に比べ、印字後の乾燥に優れる。
 

コックリング
英文表記:cockling
コックリングとは、水性インクで紙ベースのメディアに印字した際に凹凸を生じる現象である。インクの溶媒である水が紙ベースのセルロース繊維の水素結合に作用することで繊維が膨潤し、紙の変形が発生する。この伸びによって紙に生じる凹凸がコックリングである。
 

コンティニュアス型インクジェット
英文表記:continuous inkjet
コンティニュアス型インクジェットとは、インクを連続的に噴射し粒子化すると共に、インク滴に電荷を与え、偏向電極によりインク滴の飛翔方向を荷電量に応じて変化させることで記録粒子、非記録粒子に分けて記録を行うインクジェット記録方式をいう。記録に使用されなかったインクは回収され再利用される。(=連続噴射式インクジェット)

 

提供:一般社団法人 日本画像学会


アペルザニュース編集部です。日本の製造業、ものづくり産業の活性化を目指し、日々がんばっています。