チョコ停|元トヨタマンの目
工程の進化は次の段階を踏む。
①手動機械 ロット生産 1人1台持ち
②手動機械 1個流し生産 1人1台持ち
③自動機械 1個流し生産 1人1台持ち
④自「働」機械 1人多台持ち 機械間も自動搬送
特に④への移行がトヨタ式の真骨頂だ。
しかし機械間をワーク(製品)がスムーズに流れていくようになるまでには、相当の努力が必要だ。
いろいろな問題が発生してワークはチョコチョコ停止してしまう(だからこのことをチョコ停と呼ぶ)。
その都度、人がそこ行って対応してワークを流せるようにする。
この際、トヨタの場合はトヨタ式問題解決手法で「なぜワークが止まってしまったのか? なぜ? なぜ? なぜ?……と深く深く考えていき、真因までつきとめる。
そしてその真因に対策を考え実行する。これがうまくいかなければ、さらにこれを繰り返す。
このような改善活動の積み重ねていけば、そこしずつワークがスムーズに機械間を流れていくようになる。
企業によっては、チョコ停が発生すると人が駆けつけて、それを手直ししてしまい、それっきり真因の追求も対策も再発防止もしないところがあるようだ。
長い工程のすべてのチョコ停にすぐ出動できるだけの要員を確保している。
チョコ停対応も人の作業の内と規定されてしまっているのだ。
こんなラインは自動ラインとはいえない。せっかく設備投資しても、人が減らず何の意味もなくなってしまう。
トヨタではチョコ停がないラインにする方向で全員団結して進んいるのに、このような会社はずっと取り残されてしまう。