バリバリの中国ローカル工場!(その2)
今回は前々回お話したバリバリ中国系企業のその2です。従業員は、320名ほどで、すべて中国人です。生産量は、年間10億個以上にもなります。
前回は、この工場の工程ごとの状況をレポートしました。読者の皆さんのイメージはどんなものだったでしょうか。
実際は多くの皆さんがご想像したとおり、管理はよくなくあれやこれやと直さなくてはいけないところがたくさんありました。今回は、工程ごとに詳しく、改善のポイントをお話します。
1. 材料保管
おさらい−空調もなく、窓ガラスも何枚か割れていた。
窓ガラスが割れていたなどというのは改善以前の問題です。もちろん、即修理してもらいました。これを除くとここで特に改善しないと問題となることはありません。意外と思うかも知れませんが、空調がないことは特に問題ではありません。雨ざらしでなければ、OKです。
この倉庫にお金をかける必要はありません。材料は線材で表面に錆びが出ることもありますが、表面は後の工程で削ってしまうので、中まで進行しなければOKです。
2. 切断
おさらい−明るさが足らない。機械の上に必要のない油がある。その中にワークがある。ボロ布でワークの排出を受けている。
ここの工程は改善の宝庫でした。
・照明の明るさ
→天井の照明を変えるのは、建物の構造から見て大変だと思いましたし、それで明るくするのは、かなり大きい照明にする必要があるので、止めました。そこで機械1台1台に電気スタンドのようなものをつけるようにしました。費用も格段に安く済みますし、照明のメンテナンスも簡単です。
→なぜ明るさが必要か?
暗いところではきちんとした作業ができないからです。
機械の調整しかり、生産している製品の識別しかり、生産の記録を取るのもしかりです。また、最悪作業者が怪我などする可能性も高くなります。
・機械の上に油、そしてその中にワークがある
→機械の清掃ができていないことそのものです。5Sの基本と言ってもいいかもしれません。
→ワークが機械の上にあるのもダメです。この場合、油の中にありましたが、油のあるなしはワークの残留問題には、あまり関係ありません。これは、異品混入につながるからです。
・ボロ布でワークを受けている
→これも混入の不良につながるから、変える必要があります。この布にワークが引っかかることにより、次の製品に混ざることがあり得るからです。
実はこの工程では、もう一つ直さなければならないことがありました。それは、刃物の管理ができていないという点です。
切断をするわけですから、それは刃物で切っているわけです。その刃物の管理は非常に重要です。刃物は磨耗します。そして磨耗によって製品の出来栄えが異なってしまいます。
ですから、刃物の磨耗管理ができていないと、製品の出来栄えが不安定になります。そして、不良の流出につながります。
今週はこの2工程だけにしますが、工程での検査記録について少しだけ触れておきます。
工程での検査記録は、それなりにきちんと取られていました。作業環境や清掃がよくないのですが、記録が取れているので、少しほっとしたのが正直なところでした。
また続きをレポートします。お楽しみに。