カムを使った機械
先日、取引先に行った時のことです。
そこは、専用機を作っている会社で、設計から部品加工、組み立て、修理と全てやっています。
私が行った時、「明日、立会いですねん」と言いながら、出荷予定の機械を最終調整していました。
「立会(たちあ)い」とは、機械を確認して貰うために、発注側の方に実際に動かしているところを見て貰うことです。
特注の機械ですので量産の機械とは違った緊張があります。
機械好きな私は少しの間その作業を見ていました。
「カム」で動かす構造になっています。
NC制御が当たり前の今日ですが、ここの会社が作っている機械はカムやクランクといった構造が大半です。
各部の調整に熟練が必要ですが、NC制御の機械に比べて長持ちします。
このような構造の機械をもっと見直されてもいいと思うのですが、使う側に調整が必要な為か、一部の業種のみとなってしまったようです。
今回の最終調整も、芯を出す為にある部品を少し移動させるのですが、それに伴い他の部品にも影響が出るので、明日の立会いまでに全て終わらせることが出来るか、ぎりぎりだと思います。
工場長さんの難しい判断となると思います。
音などの微妙な変化で、「ガタ」が増えてきたからそろそろ調整が必要と判断し、その処置をし、そして調子が良くなった機械をまた使う。
「機械の構造を理解し、調整をしながら使う」というのは面白みがあると思います。