充電可能な電池技術でより多くの電力を供給

充電可能な電池技術でより多くの電力を供給

新しい機器を購入し、オシャレな包装の包みを開けた多くの人が『電池は同梱されていません』という注意書きを見てガッカリします。

テレビのリモコンやカメラなどの電気製品に使い捨て電池が使用されていると、苛立つ人もいるかも知れません。

どんな電気機器でも電池が切れて嬉しい人はいません。

 

しかし、補聴器などの医療機器に頼っているユーザにとって、この種の装置の電力喪失は、実際に危険な状況に陥る可能性があるので、より深刻です。

今日まで、ほとんどの補聴器は使い捨て電池で動作していました。

補聴器用電池の寿命は、補聴器の種類と電池のサイズによって異なりますが、4日しかもたないこともあります。

 

そのため、ユーザはいつもスペア電池のことを気にかけています。

これは重い難聴の人にとっては極めて重要です。

電池の交換が遅れて聴こえ難くなった場合、不快なだけでなく危険なことさえあります。

 

廃棄の頻度も環境に優しいものではありません。

使い捨て電池はリサイクルできますが、現実には毎年数百万個もの補聴器用電池がゴミとして捨てられています。

また、ユーザにとってより身近な問題は、使い捨て電池が原因で高価な装置に物理的な損傷が生じる可能性があることです。

 

電池を交換するには、小さくて薄い電池ケースの蓋を開閉する必要があるので、かなり器用でないと手こずります。

補聴器ユーザの多くが高齢者なので、簡単な作業ではありません。

電池ケースの蓋を何回も開閉していると、蓋が壊れることがあります。

さらに悪いことには、電池は酸素に触れると腐食も起こり、機器に断続的な故障が発生する可能性があるのです。

HPM10

HPM10は、補聴器や人工内耳に使用される充電式電池技術を実現する高性能な電源管理集積回路(PMIC)です。

リチウムイオン(Li-Ion)や銀・亜鉛(AgZn)など、各種のバッテリ・ケミストリをサポートし管理します。

また、ニッケル水素(Ni-MH)電池と使い捨て空気亜鉛(Zn-Air)電池を検出し、電池の種類に応じて動作できます。

 

HPM10は、自動検出システムを使用して機器内で使用されているバッテリ・ケミストリをすぐに認識するため、極めて汎用性の高いソリューションが提供されます。

次に、高効率レギュレータとして動作し、消費電力を抑えながら補聴器に必要な電源電圧を供給します。

HPM10は、種類やサイズが異なる複数の電池をサポートするのに必要な柔軟性を備えた設計となっています。

 

充電パラメータは、電池の種類やサイズに応じて更新され、ICの不揮発性メモリに格納できます。

HPM10はディープ・スリープ電流消費レートがわずか15 nAで、密封された充電式電池を内蔵した補聴器の保管期間を延長するのにも役立ちます。

HPM10を設計した補聴器メーカは、現在では完全密封型補聴器を製造できます。

 

完全密封型補聴器は、電池ケースの蓋が壊れたり、湿気や汗で内部に腐食が発生しない限り、長期間にわたって高い信頼性を維持しながら動作します。

出典:『充電可能な電池技術でより多くの電力を供給』オン・セミコンダクター


アペルザニュース編集部です。日本の製造業、ものづくり産業の活性化を目指し、日々がんばっています。