『Repeatability―再現可能な不朽のビジネスモデル』確かにそうだけれど
※2013年11月に書かれた記事です。
先週、50年ぶりに袋田の滝に出かけた。
天気に恵まれ、紅葉も美しく、景色を堪能した。
その朝、上野駅から特急に乗るまでの時間に構内の書店でビジネス書を探した。
最近は、平積みになっている最新刊や話題の書は避けて、タイトルか著者で気になるものを選んでいる。
そして見つけたのがこの本である。
1年前に出たもので、サブタイトルが大げさ(?)なのに圧倒されて、つい買ってしまった。
『Repeatability―再現可能な不朽のビジネスモデル』(クリス・ズック、ジェームズ・アレン、プレジデント社)である。
ベイン・アンド・カンパニーのコンサルタントによる著作で、同日本支社の代表である火浦俊彦氏も日本の事例を執筆している。
前回書いた『新しい市場のつくりかた』と対で読むと面白いかもしれない。
成長し続ける、あるいは一度は低迷しても復活して再度成長する企業を調べ、そこにある再現可能な「共通的な何か」を「不朽のビジネスモデル」として示したのが本書である。
3つの原則が掲げられている。
原則1:明確に差別化されたコア事業
原則2:絶対に譲れない一線
原則3:循環型学習システム
これだけ見ると、どこでも言われていることではないか、と考えてしまうが、多くの事例(ただし、日本人にはなじみのない会社が大半)があり、納得感はある。
示された原則に納得はできても、果たしてこれを実践できるか、となるとかなり難しいだろう。
企業によっては、そんなことはとっくにやっているけれど効果が現れない、と思っているところもあると思う。
事実、私が勤めていたどの会社でも、日々の予算に追われて、このようなことを考える余裕はなかった。
そこで、自営業としての自分にあてはめて考えてみた。
原則の2がこれまでにない新鮮な考え方だと気付いた。
石田厚子技術士事務所の絶対に譲れない一線とは、「多様な価値観を大切にし、個別に問題を解決する。決まったやり方、方法論などを押し付けない」。
方法論やツールを教える研修やコンサルティングはしない、ということなんだけど、持続的成長の前に、ローンチができていないのが問題である。
※2013年11月に書かれた記事です。