共通物流シンボル「ITF」の標準化動向

共通物流シンボル「ITF」の標準化動向

ITFは、輸送、包装、荷役、保管といった物流分野の集合包装商品コードを表示するために開発された物流共通シンボルである。

ITF14/16は、欧州のEAN-DUNや米国のUCC-SCSとの互換性を考慮し、1987年にJIS-X-0502として規格化された。

その後、物流単位の小型化や国際規格との整合性を考慮し、1994年に最小バー幅と反射率に関する規格が一部変更された。

 

ITF14は14桁の集合商品コードコードで、JANコードの先頭に1桁の物流識別コードを付加したものである。

ITF16はJANコードの先頭に2桁の物流識別コードを付加したものである。

ITF6はアドオンバージョンで、重量や体積などの軽量値を6桁で表した集合商品付加コードである。

ITF-16は2010年4月から使用禁止に

段ボールなどの集合包装の識別に使う16桁の集合包装用商品コードITF-16は日本のみの規格であるため、海外でトラブルが発生したことがある。

そのため、流通システム開発センターは、使用をできる限り控えるように指導してきた。

そして、2005年にGSI(EAN.UPC)の合意にも基づき、ITF-16の使用は全面的に禁止されることになった。

 

それまでに利用していた場合は、2010年3月までに14桁への切り替えが必要となった。

商品上へ印刷表示する集合包装用商品コードは、単にバーシンボルを16桁から14桁へ切り替えることだけではなく、データ交換(EDI)などコンピュータ上の商品コードとしても使用されるようになる。

不一致型のITF-14が使用可能に

これまで単品と集合包装の商品アイテムコードの設定は、同じJANコードの「一致型」のみと規定されていたが、2007年3月から国際標準へ準拠するため「不一致型」についても容認された。

これに伴い、ITFを使用した検品システムを使っている場合は、発注時の単品JANコードと入荷時の集合包装用商品コードが異なる場合が生じるために、システム変更が必要となる。

「不一致型」は、次の2つの場合に使用される。

 

集合包装用商品コードITFの梱包インジケータを使った荷姿識別をしないことを前提に、JANシンボルでなくITFシンボルで表示する場合。

あるいは、「一致型」で梱包インジケータ1~8を使い切ってしまい、9番目の荷姿に対し改めてJANコード13桁を設定し直して、ITFシンボルで表示する場合。

これらは、JANコード13桁の先頭に“0”を付けて表示するが、集合包装用商品コードではないので、先頭の“0”は梱包インジケータとしての意味を持たない。

ITF-14

ITF-14は、JANコードの先頭に物流識別コードを付加し、チェックデジットをモジュラス10ウェイト3で再計算したものである。

したがって、ITF-14はJANコードによる商品管理と物流識別コードによる物流管理が可能である。

目視文字は、OCR-Bフォントを使用する。

 

物流管理では、商品コードの他に梱包形態や員数の情報が必要である。

そこで、物流共通シンボルでは梱包形態と員数を表すために“0”から“9”までの物流識別コードを使用している。

物流識別コードは直接員数を表すことはできないので、梱包形態や員数に合わせて1~7を充当する。

 

例えば、半ダース入りが“1”、1ダース入りが“2”、20個入りが“3”のように使用する。

物流識別コードがどの荷姿に対応するかは、供給者が独自に決めることができる。

異なる商品を詰め合わせた場合は、物流識別子“0”を使用し、アドオンコードを使用する場合は、物流識別子“9”を使用する。

▼物流共通シンボル ITF-14

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▼ITF-14の物流識別コード

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ITF-6

ITF-6は、アドオンシンボルと呼ばれ、軽量値を5桁とチェックデジット1桁で構成されている。

軽量値に小数点が必要な場合は、3桁目と4桁目の間を小数点とする。

また、目視文字は、OCR-Bフォントを使用する。

 

ITF-6は、ハムやソーセージのように個々の包装ごとに重量が異なる不定貫商品に適用され、ITF-14と組み合わせて使用する。

▼アドオンシンボル ITF-6

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提供:アイニックス株式会社


アペルザニュース編集部です。日本の製造業、ものづくり産業の活性化を目指し、日々がんばっています。