どう見ても「フランク三浦」…商標登録「有効」【知財ニュース拾い読み】

どう見ても「フランク三浦」…商標登録「有効」【知財ニュース拾い読み】

フランク三浦

「フランク三浦 商標公報から引用」

 

YOMIURI ONLINE – 2017/3/6 – http://www.yomiuri.co.jp/national/20170306-OYT1T50071.html

記事では、「フランク・ミュラー」側が、「フランク三浦」の商標登録の無効を求めていた件が決着したことについて紹介されています。

本件は、まず、商標「フランク三浦」が商標登録され、この「フランク三浦」の商標登録の無効を求めてフランク・ミュラー側が特許庁に無効審判を請求したことが発端です。

この無効審判では、商標登録を無効とする審決がなされています。

次に、フランク三浦側は、無効審決の取り消しを求めて知財高裁に審決取消訴訟を提起しました。

この審決取消訴訟では、商標登録を無効とする審決を取り消す(つまり「フランク三浦」の商標登録は有効)との判決が下されています。

これに対し、フランク・ミュラー側が最高裁に上告していたものについて、今回、最高裁が上告を棄却したため、知財高裁での判決が確定しました。

 

なお、一部では、「フランク・ミュラー」側が提起した商標権侵害訴訟で「フランク三浦」側が勝訴したかのように報道されていますが、今回は、「フランク三浦」の商標登録が有効か無効かの争いであり、商標権を侵害しているかどうかを争ったものではありません。

 

また、今回はあくまで「フランク三浦」のロゴに係る商標登録が問題ないと判断されたにすぎず、「フランク・ミュラー」のパロディーとしての腕時計「フランク三浦」が問題ないと判断されたわけではありません。

この点については、今後、不正競争防止法等で争いがあるかもしれません。

出典:『どう見ても「フランク三浦」…商標登録「有効」【知財ニュース拾い読み】』(『発明plus〔旧:開発NEXT〕)


弁理士。コスモス国際特許商標事務所パートナー。名古屋工業大学非常勤講師。1980年愛知県生まれ。名古屋工業大学大学院修了。知的財産権の取得業務だけでなく知的財産権を活用した製品作りの商品開発コンサルタントを行う。知財マッチングを展開し、ものづくり企業の地方創世の救世主として活躍している。著書に『社長、その商品名、危なすぎます!』(日本経済新聞出版社)、『理系のための特許法』(中央経済社)等がある。 特許・商標の活用を応援するWEBマガジン「発明plus Web」( https://hatsumei-plus.jp/ )を運営している。