14号 A 引張り試験片(JIS Z2201)

14号 A 引張り試験片(JIS Z2201)

当社によく注文いただく「引っ張り試験の試験片」です。14号 A 引張り試験片(JIS Z2201)です。

特注の鋳造品のため、ロットごとに引っ張り強度を測定するみたいです。

材質はSCS14(SUS316相当の鋳造品)です。30本/ロット位の数です。

仕上がり形状は、真中がφ14、両端がφ20、全長が236mm。

下の画像のようになります。

さほど難しい加工ではありませんが、材料を見ると厄介な突起があります。

いやな突起ですが、この突起があるので当社にお声を掛けていただけます。

ありがとうございます。工夫して加工いたします。この突起にはロット番号が刻印してあります。

 

工夫と言えばこちらも

R15の仕上げ加工には、自分で作った工具を使います。いつもながら企業秘密です。

バイトはモーマックスの完成バイトです。ストレート部との継なぎ目に注意して加工します。φ20との角はこれも自作の対抗刃物台にバイトを付けて面取りをします。

一工程でR部完了です。左右対称ですので、ひっくり返してチャッキングして反対側のR部も同じように加工できます。最後にロット番号を書いて加工終了です。

加工自体はNC旋盤の方が断然速いですが、鋳造品で突起部があり材質がSUS316となれば工夫が必要です。当社の出番です。

取引先様に気に入って貰えたみたいで、注文数も増えるという嬉しい連絡もいただきました。

汎用機を使い道具や段取りを工夫し、頑張っていきます。

 

~基本を大切にした技術伝承~汎用旋盤職人養成


1963年大阪生まれ。西尾鉄工所代表。旋盤師、伝統技術継承者◎祖父の代から80年続く大阪八尾市の町工場の三代目。「職人道」を極めた先代のもとで、13才から弟子入りし、昔ながらの職人技を叩き込まれ、家業を一人前にこなした。工業高校卒業後、中堅工作機械メーカーに就職。工作機械(機械部品を産み出す母なる機械。マザーマシンとも呼ばれる)の構造を隈なく学び、23才で独立。最先端コンピュータで制御された「NC旋盤」に対し、職人の「技」と「勘」が頼りの「汎用旋盤」(職人の手で動かす旋盤)をこよなく愛し、現在に至るまで、その加工にこだわり続けてきた。数少ない伝統技術継承者の一人。◎若い世代の人材不足、技術伝承に危機感を持ち、2016年「汎用旋盤職人養成講座」をスタート。教材用に独自開発した「汎用フライス盤」は、設計、加工、組立・調整をすべてひとりでやり遂げ、自身の総合技術力の賜物となった。最近、営業下手な職人の殻を破り、SNSを駆使して「基礎の手技」の重要性を次世代へと訴える。また、異業種の職人を対象に、「いぶし銀の会」を立ち上げ、オリジナル製品の企画、開発など「未来の職人像」を探っている。コンピューター依存が加速する製造業の未来を受け入れつつも、「機械の前に人間ありき」と、代々受け継がれてきた職人の技と精神性の伝承に力を注いでいる。◎2014年「八尾市ものづくり達人懸賞」受賞、2015年日刊工業新聞「マイスターに聞く」掲載、「なにわの名工」受賞◎西尾鉄工所ホームページhttps://nishio-tekkousho.jimdo.com/ 西尾鉄工所技術伝承 https://nishio-tekkousyo.jimdo.com/