高性能補聴器:人気のウェアラブル機器

高性能補聴器:人気のウェアラブル機器

多くのウェアラブル機器では、ハイエンド機だけに搭載される機能ではなく、ワイヤレス接続が急速に普及しています。

ワイヤレス技術によって、ユーザは自分の機器を扱いやすくなるため、使い勝手や操作感が向上し、採用の増加につながります。

今日でも、補聴器でコントロール調節(例えば、音量調節、プログラム選択など)が簡単にできない場合があります。

 

ユーザは機器の1つまたは2つの小さなボタンを選択して、手動で調整を行うことができます。

耳に装着したままで調整できる人もいれば、耳から取り外してからでないと調整できない人もいるでしょう。

また、メーカ専用のリモート・コントロール、またはスマートフォンでの操作が望ましい場合は中継機(通常、首の周りに着用する大型ユニット)を必要とする別の選択肢もあります。

 

現在市販されている大部分の補聴器にはスマートフォンと直接通信する機能がないので、独自の無線リンクでの補聴器の使用を、スマートフォンが理解できる標準Bluetooth®リンクに変換するのにこの追加ユニットが必要です。

今日、多くの人がすでにスマートフォンを持ち歩いているため、スマートフォンを使ってユーザの補聴器と通信したり、制御できれば間違いなく最も魅力的なことです。

使いやすさに加えて、カスタム・スマートフォン・アプリケーションは、あらゆるレベルで技術的理解が速くなる直感的なアイコンやタッチ・コントロールも備えています。

 

補聴器については、ユーザはこれらのアプリケーションを使って、簡単に自分の機器のバッテリ・レベルを点検し、左右の補聴器のプログラムまたは音量コントロール設定を別々に最適化することができます。

その他の機能として、テキストや電話の着信を知らせるアラートや置き忘れた補聴器を見つけるのに役立つRSSI(受信信号強度インジケータ)の使用を挙げることができます。

ワイヤレス技術を使用して、音声をサウンド・システムや補助装置を装備したテレビなどの外部ソースから補聴器にデジタルでストリーミングすることができます。

 

これによって、音声品質が向上し、利用者に対して実際に体験しているような環境を提供できます。

BLE (Bluetooth Low Energy)などのワイヤレス技術によって、補聴器の利用者により深く、かつ個人的な満足感を与えることができるようになりました。

何社かの補聴器メーカは、機器とスマートフォンの間に直接無線リンクを確立することによって補聴器のBLEを有効にし、中継機やサードパーティ製の機器を不要にしています。

 

補聴器のフォームファクタ(耳かけ型〔BTE〕からカナル型〔RIC〕まで)内で、設計者はレシーバ、電池および関連回路、音量調整やプログラム切り替え用ユーザ制御、オーディオ・デジタル・シグナル・プロセッサ(DSP)、およびメモリと現在ではBluetooth無線トランシーバを含む関連周辺機器を組み合わせる必要があります。

通常は、バックグラウンド・ノイズの除去や指向性収音を可能にするために、1個または複数のマイクが必要です。

より大型で重い電池の採用を避け、システム全体への影響を抑えながら、より多くのエネルギーを供給するために、追加無線サブシステムの消費電力も考慮しなければなりません。

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システムインパッケージ(SiP)ソリューションは、単一パッケージに複数の構成部品を統合することにより、小型デバイスのスペースの制約を克服するのに役立ちます。

補聴器向けに設計されたEzairo® 7150 SLは、標準BTEシェルに容易に統合可能な無線対応音声処理ハイブリッド・モジュールです。

小型ハイブリッド・モジュールは、プログラマブルEzairo 7100デジタル信号処理(DSP)プラットフォームをベースにした高精度クワッドコア・アーキテクチャを備えています。

 

Ezairo 7150 SLは、マルチプロトコル・ワイヤレス・サポートを提供し、2.4GHzライセンスフリー無線帯域向けに最適化されており、BLEだけでなく、超低消費電力ステレオ・オーディオ・ストリームを配信するカスタム・プロトコルの派生版と互換性があります。

重要な補聴器パラメータを保存するために、Ezairo 7150 SLは2 Mbの不揮発性メモリ(EEPROM)を内蔵しています。

開発をさらに支援するために、オン・セミコンダクターは、設計者が開発し独自のデバイスを改良するのに役立つハイブリッド・モジュール、所要受動部品、2.4 GHz無線アンテナを含む、Ezairo 7150-SLベースのBTE補聴器の完全なリファレンス・デザインを作成しました。

 

このリファレンス・デザインは、組み立てが完成したハードウェア、サンプルAndroid™アプリケーション、およびリモート・ドングルおよびControl over BLE経由のステレオ・オーディオ・ストリーミング用ファームウェアで構成されています。

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マルチプロトコル・ワイヤレス・サポートは、スマートフォンやタブレット、およびソース機器の標準オーディオ出力ジャックに差し込むリモート・ドングル経由のオーディオ・ストリーミングを使用するCoBLE (Control over Bluetooth Low Energy)などの高度な補聴器機能を可能にします。

またオーディオ・ストリーミング・プロトコルは、消費電力が非常に少ない(標準的な補聴器用空気亜鉛電池で約4〜5 mAのみ)独自の低遅延無線リンクを使用します。

ステレオ・オーディオ・ストリーミング機能により、ユーザは小型トランスミッタ・ドングルを使用して、テレビやカーラジオなどの外部ソースから音声を聞くことができます。

 

ドングルはリモート・マイクロフォン・モードでも動作でき、ノイズの多い環境やスピーカが遠くにある教室のように困難な状況でユーザのリスニング体験をさらに向上させることができます。

高度機能、特にワイヤレス接続は、補聴器利用者のクオリティオブライフに変革を起こす可能性を秘めています。

物理的なスペースの制約は、発展を制限する重要な要因となっていますが、高度な統合技術や新しい無線技術は、かさばる中継機を必要とせず、Control over BLEや低遅延オーディオ・ストリーミングなどのワイヤレス接続を実現するのに役立ってきました。

 

これらの機能は、エンドユーザの使い勝手を劇的に改善するための環境を整え、使う必要がある機器から使いたい機器へと転換するのに貢献します。

 

出典:『高性能補聴器:人気のウェアラブル機器』オン・セミコンダクター


アペルザニュース編集部です。日本の製造業、ものづくり産業の活性化を目指し、日々がんばっています。