開放特許情報データベースの活用法
開放特許情報データベースとは
開放特許情報データベースとは、インターネット上で、企業、大学、研究機関等の開放特許を一括して検索できる公的なサービスです。
開放特許情報データベースの利用は無料(ID、パスワードなし)で利用いただけます。
ただし、開放特許情報データベースに登録されている開放特許を利用するには、該当する特許を所有している登録者と契約をする必要があります。(登録者と契約せず無断で利用することができません)
開放特許情報データベースの特徴
[1]ライセンス可能な特許(ライセンス料を支払うことにより利用可能)を収録
[2]生きた特許(権利切れ等の案件を排除)して収録
[3]一部、公開前の特許を収録
[4]大学、研究機関等が保有する未活用の特許を収録
利用者のメリットが活用するメリット
[1]自社の商品に付加価値(ライセンスした技術)を付ける
[2]莫大な開発費を掛けず、安価で特許を利用できる
[3]商品開発の開発期間を短縮できる
[4]発明のヒントを掴める
登録者のメリットが活用するメリット
[1]実施許諾の場合、ライセンス収入を得ることができる
[2]権利譲渡の場合、譲渡対価を受けることができる
[3]データベース登録後、権利消滅まで手間いらず
[4]データベース登録後、自社のホームページにリンク可能
開放特許情報データベースを使った検索方法
開放特許情報データベースには約32,000件(2016年3月末現在)の開放特許が登録されています。
自社で作りたいニーズのある商品に対して、開放特許情報データベースを使ってシーズを探して当てはめることで新しい製品を考案できる可能性が広がります。
独立行政法人工業所有権情報・研修館(以下「INPIT」といいます。)では以下のような検索方法を紹介しています。
(1)キーワードで検索
調べたいキーワードを入れて「検索」をクリックすると、指定されたキーワードが含まれているライセンス情報を検索できます。
開放特許を探すときは、最終的に自分がなんの製品に対して使いたいのか、そして製品に使うことでどういった効果を得ることができるのかということをポイントとして探すことです。開放特許を使えるということは特許が持っているその効果を享受できることになるためです。例えば、防菌・防臭機能がある材料をイメージして検索をしていけば、光触媒の技術にあたる可能性があるのです。
(2)詳しく探す検索
ライセンス情報などを含めて検索することができます。
①過去に開放特許として技術提供をしたかどうかの提供実績の有無で検索が可能です。提供実績があるところであれば開放特許の使用許諾についてもスムーズに契約できる可能性があります。
②特許のアイデアのほかに技術のノウハウなどの提供が可能かどうかの提供技術供与についても検索が可能です。開放特許を使って開発する場合でもノウハウを提供してもらえればそれだけ製品化に対してスピードを早めることができると考えられます。
また、技術指導やコンサルティングなどが可能かどうかも検索できます。技術指導やコンサルティングにしても可能であれば技術移転がしやすくなります。
そのほかには、図面開示が可能かどうか、技術指導が可能かどうか、マニュアル開示が可能かどうか、サンプル開示が可能かどうか、学会誌、雑誌等への掲載実績があるかないかといった条件でも検索が可能です。
③試作品の評価をしてもらえるかどうか、設備購入ルートの確保ができるかどうか、販売ルートの確保ができるかどうかといった事業化についての情報についても検索が可能です。
開放特許情報データベースの収録内容
開放特許の収録内容には、特許権者、発明の名称、技術分野、機能、適用製品、目的、効果、技術概要、特許権の譲渡の可否、特許権実施許諾の可否等の登録されたライセンス情報があります。
また、登録者名称、登録者の問い合わせ等の登録者情報が記載されています。
案件ごとに問い合わせ先・連絡先が掲載されているため、登録者と利用者の間で直接交渉することが可能です。
(引用画像は、特許情報データベース、掲載先の富士通株式会社から許諾済)
検索したあとは登録者との契約が必要
開放特許情報データベースでは、あくまで開放特許を探すことができる無料データベースであるため、契約交渉などはご自身でしなくてはなりません。
INPITの「よくあるQ&A」にも書かれていますが交渉はあくまで個々人間で行うことになります。
特許や契約についてやったことがないという方がほとんどだと考えられます。
そこで、先に取材協力をもらった地域の経済産業局や地域の公共団体などに所属する自治体特許流通コーディネータをぜひ活用してください。そうすることで上手に契約をすることができ製品化へ導ける可能性を上げることができます。