誰にも聞けない「セル生産」:どのように作業配分すれば良いのでしょうか?

誰にも聞けない「セル生産」:どのように作業配分すれば良いのでしょうか?

誰にも聞けない「セル生産」

どのように作業配分すれば良いのでしょうか?

10人のコンベアラインを、3名のU字ラインで生産することを考えていきます。

一人の作業は、10秒とします。総工数が100秒の製品です。

U字ラインは、セル生産方式の一つの生産方式で、上から見るとU字型をしています。

 

コンベアラインとU字ラインの違いは、「作業配分のやりやすさ」です。

作業配分とは、一人ひとりの作業者の作業を分配するということです。

全員が同じ工数になるように作業を分けるのです。これが簡単そうで、とても難しいのです。

 

コンベアラインでは、隣の作業者しか作業を分けることができません。

例えばネジを5本締める作業を二人の作業者に3本と2本に分配することは、理論上は可能です。

しかし、二人の作業者に電動ドライバーが必要になり、実際にはできないのです。

 

U字ラインのメリットの一つとして、作業台が対面しているため、多くの作業者間で作業の分配ができるのです。今回のモデルとする3名のU字ラインであれば、3名全員で作業分配が可能です。

各作業者の作業スキルも考慮する必要があるので、3名で同じように作業分配できるのは、とても楽になります。

3名で100秒の作業なので、3名で一人30秒程度の作業を分配します。先頭工程より、3名をAさん、Bさん、Cさんとします。

 

Aさんは、先頭工程から30秒を配分するのではなく、先頭と最終を15秒程度ずつ、計30秒を担当するように配分します。

これは、「IO一致の原則」のためです。これを守らないと、U字ラインは絶対にうまくいきません。

Aさんが、製品を1個を完成させると、ワークを1個をラインに投入する必要があるからです。先頭と最終工程を別の人が行うと、バランスが崩れ、ラインの中のワークの数が一定にならないためです。

 

先頭と最終工程を一人が担当することは、コンベアラインでは絶対にできません。

Bさんも、Aさんと同じように、Aさんに接した工程を担当できます。Cさんは、真ん中の工程を担当することになります。

U字ラインが作業分配が行いやすい理由なのです。

 

U字ラインの形を決める前に、この作業配分をしっかり設計することが最も重要になります。

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出典:『あなた一人で手抜きでできる 楽々改善』楽々改善舎


現場改善コーチ。楽々改善舎代表 ◎1958年大阪府生まれ。同志社大学工学部電子工学科卒業後、松下電器産業株式会社(現パナソニック)に入社。34年の勤務の後、2015年に定年退職。◎前半17年間は、生産技術として社内用生産設備の制御・計測機器の設計を担当。後半17年間は、社内の生産工場の生産革新・生産性向上プロジェクトの支援を担当。現場改善を推進する。同時に、IE(インダストリアルエンジニアリング)トレーナーとして現場メンバーにIE改善の訓練を行う。社内のIEトレーナー養成研修を担当し、IEトレーナーを育成。社内のIE認定部会の副主査を10年間担当。◎1995年、衛生工学衛生管理者試験合格。2011年、技術士(経営工学)ニ次試験合格。2015年、栃木県足利市の5Sインストラクター研修修了。◎2015年、楽々改善を提唱し、「楽々改善舎」を大阪にて発足。楽々改善のサポート、5S改善を推進できる人材の育成、Webによる現場改善の情報発信、電子出版をノマドワークで推進している。◎楽々改善 http://r2k.link/raku.html