試作工場の連合体「京都試作ネット」の挑戦

試作工場の連合体「京都試作ネット」の挑戦

商品開発において知的財産の観点が重要なことはこのサイトでいつも紹介していることですが、アイデアを形にする「試作」も重要です。

今回はそんな試作の新しいモデルに挑戦する「京都試作ネット」の取り組みを紹介します。

試作工場1

スピード最優先

開発段階で最も重要視される「スピード」を最優先。

全国どこでも全てのお問合せに「2時間レスポンス」を約束。

 

アイデアを思いついたら早く作って販売する必要があります。

アイデアは思いついた瞬間から陳腐化が始まり、完成までに時間が掛かると「特別」から「普通」になって売れなくなってしまうこともあるからです。

しかしアイデアを商品化するには、アイデアを実現したモノを試作する必要があります。

試作では完成度を高めるために何度か繰り返すこともありますので、量産化を早めたければ試作を手早く行う必要がでてきます。

 

完成度のステージ

試作を請け負う会社にもさまざまあり、図面起こしからしてくれるところ、図面がある場合のみ対応するところ、など異なります。

従って、商品化しようとするアイデアがどの段階にあるのかを把握することは重要です。

 

1. アイデア段階
2. 企画段階
3. 図面完成段階

 

京都試作ネットには、約100社の試作品製造会社が集まっています。

窓口に試作品製作の相談をすれば、上のような完成度のステージとアイデアの内容に応じて適切な試作製造会社を紹介してもらえます。

状況に応じて適切な試作品製作会社と繋がれることで、よい試作品を早く手にすることができます。

試作工場2
京都試作ネットでの試作のワークフロー

 

幅広いネットワーク

試作加工の相談件数が6000件を突破。

企画段階のちょっとしたご相談から、製品化を前提とした設計相談まで、業界最大級の相談実績。

 

京都市作ネットには、金属加工、機械加工、樹脂加工、システム開発、装置開発、プレス・板金、表面処理、基板、鋳造、溶接など幅広い試作加工の会社が約100社集まっています。

多様な商品が生まれる現代、アイデア段階でも必要とする技術は多岐にわたります。

1社では対応できないことでも、多様な会社が集まることで幅広いアイデアに対応できます。

このような利便性から、試作加工の相談は増え続けて遂に6,000件を突破したそうです。

 

地域指向の展開

京都試作ネットのキャッチコピーは「試作?そうだ京都に頼もう」。

「京都」にこだわった事業展開を進めています。

将来、世界一の試作品製作集団を形成することで京都を一大試作加工集積地にすることを目標に、京都の産業・文化を活かした新しい産業の創出を目指しています。


弁理士。コスモス国際特許商標事務所パートナー。名古屋工業大学非常勤講師。1980年愛知県生まれ。名古屋工業大学大学院修了。知的財産権の取得業務だけでなく知的財産権を活用した製品作りの商品開発コンサルタントを行う。知財マッチングを展開し、ものづくり企業の地方創世の救世主として活躍している。著書に『社長、その商品名、危なすぎます!』(日本経済新聞出版社)、『理系のための特許法』(中央経済社)等がある。 特許・商標の活用を応援するWEBマガジン「発明plus Web」( https://hatsumei-plus.jp/ )を運営している。