設備メンテナンスの省略は経費節約??(その2)
設備保全(故障の予防)として、油圧切断機の油は定期交換することになっていたが、実態は、切断機が正常に動いている間は油の交換は行わない。故障して、その原因を調べて油が原因であったら交換することになっていました。
なぜこのような不定期の交換、故障が発生して初めて交換するとことになってしまったのでしょうか。実は工場にいる労務やコストなどを担当している中国人経理の指示によるものでした。その経理の意図としては油代が高いので、それを何とか節約したいと考え、機械が故障していないなら交換をしなくてもいいと考えたようです。つまり、油代の節約を目的としていた訳だ。
しかし、これは本末転倒ですね。メンテナンスを怠ることで重大な故障になる可能性が高くなります。そうなれば修理費用が大きくなり逆に費用がかかることにつながります。また、生産への影響も少なからず出るでしょう。
自分の工場ではこんなことは起きないし、関係ないと思われている読者の方が大半かと思います。しかし、これは日系工場で起きたことです。このとんでもない指示をした経理は中国人。総経理は日本人だが、定期を不定期に変えたことは全く知らなかった。ただ工場規模によるが総経理は現場の細かい管理項目まですべてを把握するのは難しいのも事実でしょう。すべてを把握できないのであれば、変更があったときに察知できる仕組みを整備しておくことは必要です。
その工程の班長さんたちに話を聞いていくと、班長さんたちはきちんと定期的に油を交換しないとまずいと考えていたようでしたが、その経理に逆らうことは出来ない雰囲気がこの工場全体にありました。ちなみにその切断機メーカーの油交換頻度の推奨は1年1回です。