設備メンテナンスの省略は経費節約??
「中国工場・品質管理セミナー」では、終了後参考になったことを受講者に書いていただいています。その中に「設備管理も大切な要素であることがわかった」と書いて下さる方が毎回います。
その方たちもいい加減にしてきたつもりはないが、設備による不具合発生の事例を見てあらためて「大切な要素」だと思われたようです。
今回はわたしが駐在員時代、取引先の工場監査に行ったときの設備メンテナンスに関する考え違いの事例を紹介します。
その工場のある工程で油圧の切断機を使っていました。刃物の摩耗管理とともに切断機のメンテナンス管理を点検記録で確認を進めていった。毎日の稼働前に行う日常点検には問題はなかったのですが、定期点検で問題が見つかりました。
以前は油圧の油は定期的に交換することになっていた。ところが監査したとき、交換は不定期となっていました。不定期とはどういうことなのか?どういう状態になったら交換するのか?ヒアリングを続けていくと実態が見えてきました。
実態は、切断機が正常に動いている間は油の交換は行わない。故障して、その原因を調べて油が原因であったら交換することになっていました。これでは、定期点検の意味がないですね。設備の予防保全の考えが正しく理解されていなかったのです。