解析よもやま話「KKD(勘、経験、度胸)も必要」

解析よもやま話「KKD(勘、経験、度胸)も必要」

こんにちは。Altairの中川です。今回はCAE解析者もKKDは大切だ、というお話です。

最近の自動車開発はCADで設計、CAEで性能予測してすぐ生産準備、というプロセスが定着してきている時代ですが、便利な道具に頼りきってエンジニアが考えなくなってしまう、という弊害が出てきていると感じます。

昔はKKDで仕様を決めることが多く、それがいけなかった、と今は言われているわけですが、そこには過去の失敗や経験に基づく先人のノウハウが隠されているものだと思います。

 

CAEでの検討結果からは必要とは思えない部材があり、軽量化のために無くしたら実車試験で近くの別の部材が壊れてしまったという事例を以前見たことがあります。

CAEでは実際の車に負荷される全ての条件を考慮できるわけではありませんので、計算上考慮しなかった荷重がかかったことにより壊れてしまうことがあるのです。

以前から踏襲されてきた部品を変更するときには、CAEの変形図やコンター図を見るだけではなく、実際の使用時にその部品にどんな負荷がかかるのか、先輩はどうしてこういう形状にしたのか、実物を見ながらよく考えることが大切だと思います。

 

提供:アルテアエンジニアリング株式会社(日本法人)


アペルザニュース編集部です。日本の製造業、ものづくり産業の活性化を目指し、日々がんばっています。