解析よもやま話「トポロジー最適化と3Dプリンター」
※解析よもやま話はAltairの提供でお届けいたします。
弊社ソフトウェアの機能の中でも特に売りにしているのが、構造最適化です。
その中の一つである「トポロジー最適化」という駄肉を削って最適形状を見出す手法は色々な分野で活用されてきましたが、ユーザーの立場では結果の解釈にあたっていくつか悩ましいところがありました。
中間密度の部分が生じる
あるかないかのどちらかにきっちりと分かれる訳ではないので、形状の境界線をどこにするか自分で判断しなければならない。
作れない形状になることがある
構造的には理想の形状であっても、空洞やアンダーカットが生じて作れない場合がある。そのため、「製造性制約」といって、事前に型抜き方向などの指定を行っておき、作れる形の範囲で最適形状となるように制御する必要がある。
どちらも最適化結果を妥協して実際の形状を作り出している訳で、当初得られた最適化結果よりも若干性能が落ちることになります。
これまでは製造法の制約があるのは当然のことと思われてきたのですが、最近注目を集めている3Dプリンターがその常識を変えようとしています。
3Dプリンターを使うと、LatticeStructure(格子構造)を作り出すことで、構造最適化結果として得られた中間密度部分をそのまま再現できます。
また、空洞やアンダーカットなども気にすることなく形成することができます。(参照:1枚目の図)
3Dプリンターは、当初は試作品の作成が主な目的で使われてきましたが、これからは実際の製品を製造することも目的になっていくものと思われます。
トポロジー最適化結果をそのまま活かして3Dプリンターで製造することにより、これまでの製造法で作るよりさらに軽量で高性能な製品が生み出されてくることが期待されます。
その一例が、世界初となる3Dプリンターで製造した金属製自転車ブラケットです。
3枚目の図のように、従来の製造技術では実現困難であったトポロジー最適化の結果を反映した形を、3Dプリンターであれば生産することができます。
※こちらの詳細はRenishaw社様の事例をご覧ください
http://bit.ly/TnUDLv ([Empire / Renishaw]をクリック)