蓄積データは活かせていますか? ~在庫データ~

蓄積データは活かせていますか? ~在庫データ~

こんにちは。テクノアの間野です。

今回も日々蓄積されているデータの活用方法についてお話しします。

システム導入しているかどうかに関わらず、日々の業務の中で、伝票やExcelの表など、様々なデータが蓄積されていきます。その蓄積されたデータは、有効に活用されているでしょうか?

今回は、それらのデータの中でも、「在庫データ」について取り上げます。

STEP1 現在庫数の管理

現在、在庫の現品把握はされていますか? 少なくとも、棚卸のタイミングでは実棚数をカウントし、把握されているかと思います。が、棚卸のタイミング以外ではどうでしょう? 棚卸や月末などのある時点の在庫数だけでなく、今現在の在庫数は把握できていますか?

在庫管理の第一歩は、「現在庫数」の把握です。まずは、現在、「なにが」「どこに」「いくつ」あるかを把握できるようにしましょう。

 

ただし、すべての在庫について一律数量管理をすることが必ずしもよいとは限りません。なかには、管理の手間ばかりかかって効果が薄いものもあります。

大事なのは、在庫管理レベルを品目ごとに決めることです。管理レベルとして、現在庫数を正確に把握する必要があるもの、棚卸時点で数量把握ができればよいものなど、費用対効果を考慮して自社でルールを決めて設定します。

まずは、品目ごとに必要な管理レベルを設定し、効果的な在庫管理をできるようにしましょう。

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STEP2 入出庫履歴の管理

リアルタイムに現在庫数を管理する品目については、ある時点の在庫数をもとに、入出庫の履歴を管理することが必要です。

入出庫の数量情報があれば現在庫数は把握可能ですが、「いくつ」だけでなく、「いつ」「誰が」「どこから/どこへ」入出庫したのかまでデータとして残すと、活用しやすいデータになります。

 

活用例① 原価管理

「どこへ」出庫したかまで把握できれば、単に在庫を減らすデータとしてだけでなく、出庫先での集計処理に活用することが可能となります。

出庫数にその時点の評価単価をかけて出庫金額にすることで、製番へ出庫したのであれば、製番原価として集計し、原価データとして活用することができます。

活用例② 滞留管理

いつ入出庫したかの履歴まで管理できれば、最終の入出庫日を把握することも可能となります。在庫の中には、入れ替わりが活発なものもそうでないものも存在します。

現在庫数の一覧表だけを見ていても、在庫の入れ替わり状況はわかりませんが、最終の入出庫日もあれば、いつから動きがないか、滞留しているのかについても把握できるようになります。

滞留状態が見える化できれば、棚卸時点で、廃棄すべきかどうかの検討もできるようになり、いつまでも不要な在庫を持ち続けるムダもなくすことができます。

STEP3 入出庫予定の管理

現在庫数、入出庫実績の管理ができたら、次は予定の管理です。案件で使う予定の材料出庫予定や、不足分の手配による入庫予定を時系列に並べると、将来の在庫数がわかります。

将来の在庫数がマイナスになれば、それは「欠品予測」です。そのまま、何も手を打たずにいると、使用予定日には在庫が不足し、出庫できないことになります。それでは困るので、手配を早めたり、追加手配をしたりすることで、将来のマイナス在庫を解消しておきます。

予定まで見えてくると、事前に将来困る事態を把握し、未然に防ぐことができるようになります。

効果的な在庫管理ができるように、まずは目的を明確にし、必要な管理レベルを設定したうえで、データを収集しましょう。

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参考:株式会社テクノア


中小企業診断士、アプリケーションエンジニア。銀行系システム会社退社後、株式会社テクノアに入社し個別受注型生産管理システムの企画・設計・開発を担当、その後、導入分析、稼働後分析&改善指導を実施◎テクノアは、出荷本数4000社を超える国内トップシェアの中小企業向け生産管理システム『TECHSシリーズ』を開発・販売しているソフトウェア開発企業です。「外洋帆船経営」を標榜し、情報技術【IT文明】の進歩を先取して『人々がより人間らしい、ゆとりと生きがいがある生活』を実現するため、独創的なソフトウェアと付帯サービス【ソフト文化】の開発と提供を通じて社会貢献します。