若手技術者人材育成に適した時期
技術者人材育成に適した年齢は何歳まででしょうか? もしくは、何年目までなのでしょうか?
実は技術者の人材育成にとって年齢や社会人歴というのは大きなファクターとなってしまいます。技術者は専門性至上主義に固執するあまり、記憶力の低下を恐れ、経験を積むほど、そして年齢を重ねるほど柔軟性を失っていきます。
年齢、社会人歴のリミット
技術者育成研究所では、技術者人材育成に適した年齢もしくは社会人歴は、それぞれ、年齢でいえば20代半ばから後半、社会人歴でいえば新人から5年目までが一つのリミットであると考えます。
理想でいうならば、年齢は上述の通りでいいのですが、年数でいえば3年目までに始めるのがベストです。 この3年目までに始めるというのはこれまでの経験でも本当に大切なことです。
社会人13年目の31歳と、4年目の29歳
まだ吉田がサラリーマンだったころ、年齢31歳、高卒だったので13年目という方がいました。 なかなか表舞台で活躍できないので、何とか育成してほしい、と当時の緊急プロジェクトでその人を吉田の下に補てんされました。 ところが、13年目で31歳であったにもかかわらず、自分に対する自信もなく、与えた仕事から逃げ回るという状態でした。
しかし、13年目ともなると上司に文句を言うというところだけは上達していたので、 手足を動かさず口だけが動くという状態でした。
それに対し、年齢29歳であまりかわらず、しかし院卒であったため4年目という技術者を同じタイミングで育成しました。彼は、ありとあらゆることをスポンジのように吸収し、文句を言う前にとりあえずやってみよう、という若さゆえの柔軟性も持ち合わせていました。
もちろん、両者の性格というのもあったかと思いますが、他の類似の例でも同じような結果だったのも確かです。このくらい、年齢、そして特に社会人歴が育成開始のタイミングとして重要なのがわかります。
可能な限り早めに育成を”開始する”、というのが人材育成の重要なことであるということを再度強調しておきます。