若い方の技術を見る目が変わってきた!

若い方の技術を見る目が変わってきた!

何年か前から積極的に営業をしています。自分にあったお取引先様を探すためです。

その効果がようやく出始めてきました。嬉しい兆しです。

私は人あたりが悪く、営業べたなため、技術力以外のことを重要視する所は向きませんし、たとえお取引頂いたところで、本心から歓迎されることはないでしょう。

 

私の目指すのは、「WIN・WIN」 の関係、双方良しの関係です。そう願い、いろいろな方法で営業していました。

幸運にも何社か私を歓迎してくださる所とめぐり合えました。ほとんどのお取引さんは、こちらの工場を見にこられます。

その時の当社工場を見る目が以前とは変わってきました。

 

私は来社いただいた時「NC機は一台もなく、汎用機ばかりです」と、決まり文句のように言ってますが、

以前なら、「汎用機しかないのか。それならたいした仕事は出せないな」みたいな雰囲気丸出しだったのですが、

最近は、「うあー、これ何の道具ですか?何に使うのですか?」といった言葉を聴くようになりました。

 

大変良いことと喜んでいます。

工具屋さんで売っているのではなく、私が作った道具をさしてです。

なぜか訪問者は、30代半ばの方が多くなり、年齢的にも若い方と接する機会が多くなりました。

 

若い方の感性はすばらしく、また、前向きに技術を注視しています。

おそらくNC機を使っていて、技術的なことに目覚めたのだと思います。

普段の仕事で疑問に思っていることが、直感的にうちの工場で出たのだと思います。

 

社会全体的に視ても、若者が原点に帰る傾向にあると思います。非常に良い傾向だと思います。

加工の原点は、機械は汎用機であり、道具は自分で作ることだと思います。

そして、技術はそこから始まり進歩していくものと思います。

 

若い方の鋭い感性がこのようなことを捕らえかけています。

決して消してはならない、若者の第一歩のように思います。

これからの世代の方に、「技術」を伝えて行きたいと思います。

~基本を大切にした技術伝承~汎用旋盤職人養成


1963年大阪生まれ。西尾鉄工所代表。旋盤師、伝統技術継承者◎祖父の代から80年続く大阪八尾市の町工場の三代目。「職人道」を極めた先代のもとで、13才から弟子入りし、昔ながらの職人技を叩き込まれ、家業を一人前にこなした。工業高校卒業後、中堅工作機械メーカーに就職。工作機械(機械部品を産み出す母なる機械。マザーマシンとも呼ばれる)の構造を隈なく学び、23才で独立。最先端コンピュータで制御された「NC旋盤」に対し、職人の「技」と「勘」が頼りの「汎用旋盤」(職人の手で動かす旋盤)をこよなく愛し、現在に至るまで、その加工にこだわり続けてきた。数少ない伝統技術継承者の一人。◎若い世代の人材不足、技術伝承に危機感を持ち、2016年「汎用旋盤職人養成講座」をスタート。教材用に独自開発した「汎用フライス盤」は、設計、加工、組立・調整をすべてひとりでやり遂げ、自身の総合技術力の賜物となった。最近、営業下手な職人の殻を破り、SNSを駆使して「基礎の手技」の重要性を次世代へと訴える。また、異業種の職人を対象に、「いぶし銀の会」を立ち上げ、オリジナル製品の企画、開発など「未来の職人像」を探っている。コンピューター依存が加速する製造業の未来を受け入れつつも、「機械の前に人間ありき」と、代々受け継がれてきた職人の技と精神性の伝承に力を注いでいる。◎2014年「八尾市ものづくり達人懸賞」受賞、2015年日刊工業新聞「マイスターに聞く」掲載、「なにわの名工」受賞◎西尾鉄工所ホームページhttps://nishio-tekkousho.jimdo.com/ 西尾鉄工所技術伝承 https://nishio-tekkousyo.jimdo.com/