縫製工場のとっておきの道具……喰い切り|ラオス縫製工場の日常

縫製工場のとっておきの道具……喰い切り|ラオス縫製工場の日常

※当コンテンツはCBC Laoの提供でお届けいたします。

 

※2017年3月に書かれた記事です。

 

先週まで展示会用のサンプルの縫製で大忙しでした。まだまだ日本は春先ですが、サンプルはも秋冬もののサンプルです。

そして、サンプルの縫製で活躍するのが、この道具。

これは何かというと、ジッパーの務歯(むし)を外す専用喰い切りです。

商品を量産するときには、必要な本数をYKKさんにオーダーするのでこのようなしません。しかしサンプルを縫製するときには、どうしても必要な長さのジッパーがないことがよくあります。

しかも必要なジッパーの本数は各色1本ずつ計5本ずつで、ジッパーを必要とするサンプルの品番がいくつかあるという状況もあります。

 

そんなときに、それぞれのジッパーを1本ずつYKKさんに注文するわけにもいかないので、上の喰い切りを使って、務歯(むし)を外してきジッパーを必要な長さに調整していきます。

使い方はというと、ただたんに、ジッパーの務歯(ムシ)を引っ張ってとっていくだけです。簡単そうに見えますが、上の特製喰い切りを使わなければ、うまくとれません。

ポイントはというと、握ったときに、しっかり刃先がとじずに、少し開いてるということです。握った時に刃先がとじる普通の喰い切りを使うと務歯(ムシ)を外す時に、ジッパーテープが引き裂かれてしまいます。

 

しかし握ったときに、少し開いているものを使うと ジッパーテープの破れのを防ぐことができます。

必要のない務歯(ムシ)を外した後は、一番上の部分にある上止めを外して、務歯(ムシ)の一番上の部分に付け直します。

このとき、しっかり、取り付け直すことが大切です。一度、スライダーの部分が、務歯(ムシ)から外れてしまうと、再び務歯(ムシ)の戻すことはできず、そのジッパーは二度と使うことができなくなってしまいます。

 

※ジッパーの務歯を外している様子

いろいろジッパーの名称を使いましたが、ジッパーの各部の名称は次のように言います。少しマニアックですね。

 

上止め
スライダーを務歯(むし)の一番上の部分で止めます。これがないと、スライダーは外れてしまいます。そして、外れると二度と務歯(むし)におさめることができなくなるので、とても大事な部分です。

スライダー
本体の部分になります。務歯(むし)をうまく噛み合わせていきます。

引き手
ジッパーを引っ張る部分。いろいろな形があります。

務歯(むし)
スライダーが動くレールような部分です。細いものから太いものまで、プラスチック製のものから金属製のものまで、金色のものもあれば銀色のものと、とにかくいろいろな種類があります。

ジッパーテープ
務歯(むし)が取り付けられている部分で、YKKさんだと何百色から選ぶことができます。

下止め
ジッパーの一番下の部分です。写真のジッパーは右と左に分かれませんが、ジャンパーのジッパーなど左右に分かれるジッパーはまた違う形をとっています。

 

ジッパーは、資材屋さんにいけば売っているというものでないので、YKKさんにオーダーしなければ手に入りません。

そして、オーダーすると最低10日〜14日くらいかかります。

本数の問題、オーダーしてから手に入れるまで少し時間がかかるので、サンプル縫製時に必要な長さのジッパーがなかった場合には上のような喰い切りを使ってサンプルを縫製することが多いです。
 出典:海外ラオスにある小ロットを得意とする縫製工場

 


アペルザニュース編集部です。日本の製造業、ものづくり産業の活性化を目指し、日々がんばっています。