総合的技術力の重要性

総合的技術力の重要性

ちょっと前に、ある会社に営業に行かせてもらいました。まだお取引はない会社です。

そこは、設計から部品加工、仕上げ、組み立てと、全て自社でしているところです。部品加工は外注にも依頼しています。

いろいろとお話させていただき、思いました。現場を経験された方が、図面を書かれているなと。 やはり、「理にかなっている」 なと。

 

いつも疑問に思っていたことなのですが、旋盤の加工図面の公差で、基準面に対して、振れが○○以下とか、書いてある図面です。

その部品が、実際組み込まれた時の重要な振れと、加工図面の基準面が違うことがしばしばあります。

今回営業に行かせて頂いた会社の図面は、「さすが」 と納得いく書き方です。組み込んだときのことを考えて、加工図面を書いてます。

 

当然、不必要な公差は書いてません。キズも特別注意が必要なところは、その旨注意書きがしてあり、それ以外の部分は、さほど厳しくはありません。

2つ重要なことがあると思います。

 

1.実際に組み込んだ時のことを考えて、加工図面を書く

2.不必要な公差や要求は省く

 

この二点を見直せば、良いものが、なおかつ、コストを抑えてできると思います。

それには、総合的技術力が重要になります。

(設計)+(部品加工)+(仕上げ・組み立て)といった技術力です。

 

各受け持ちの部分の技術だけでは、実際のことが解りにくいと思います。それには、やはり、経験しかないように思います。

現場の経験のない方は、(部品加工)+(仕上げ・組み立て)のノウハウは、解らないのではないでしょうか。

同じように、設計の経験のない方は、(設計)のノウハウは、解らないと思います。

 

現在の製造業を見ますと、あまりにも分業制が進みすぎているように思います。

全ての部分で専門知識とまでは、必要ないでしょうが、ある程度総合的な技術力は、必要だと思います。

これは、当社の考えです。参考にしてください。

 

~基本を大切にした技術伝承~ 汎用旋盤職人養成


1963年大阪生まれ。西尾鉄工所代表。旋盤師、伝統技術継承者◎祖父の代から80年続く大阪八尾市の町工場の三代目。「職人道」を極めた先代のもとで、13才から弟子入りし、昔ながらの職人技を叩き込まれ、家業を一人前にこなした。工業高校卒業後、中堅工作機械メーカーに就職。工作機械(機械部品を産み出す母なる機械。マザーマシンとも呼ばれる)の構造を隈なく学び、23才で独立。最先端コンピュータで制御された「NC旋盤」に対し、職人の「技」と「勘」が頼りの「汎用旋盤」(職人の手で動かす旋盤)をこよなく愛し、現在に至るまで、その加工にこだわり続けてきた。数少ない伝統技術継承者の一人。◎若い世代の人材不足、技術伝承に危機感を持ち、2016年「汎用旋盤職人養成講座」をスタート。教材用に独自開発した「汎用フライス盤」は、設計、加工、組立・調整をすべてひとりでやり遂げ、自身の総合技術力の賜物となった。最近、営業下手な職人の殻を破り、SNSを駆使して「基礎の手技」の重要性を次世代へと訴える。また、異業種の職人を対象に、「いぶし銀の会」を立ち上げ、オリジナル製品の企画、開発など「未来の職人像」を探っている。コンピューター依存が加速する製造業の未来を受け入れつつも、「機械の前に人間ありき」と、代々受け継がれてきた職人の技と精神性の伝承に力を注いでいる。◎2014年「八尾市ものづくり達人懸賞」受賞、2015年日刊工業新聞「マイスターに聞く」掲載、「なにわの名工」受賞◎西尾鉄工所ホームページhttps://nishio-tekkousho.jimdo.com/ 西尾鉄工所技術伝承 https://nishio-tekkousyo.jimdo.com/