納期遅れの資金繰りへの影響
QCDは、それぞれ、Q:品質、C:コスト、D:納期を表しており、製造業の生産管理をおこなう上で重要な3つの要素と言われます。今回は、その中でもDの納期について、お話ししたいと思います。
さて、納期遅れを起こすとどうなると思いますか。
納期は、お客様と約束した納品期日です。納期遅れを起こすということは、その約束を守らなかったということです。約束を破ってしまうわけですから、クレームになりますし、また、そんなことが続けば、信用を失います。その点で、今後の取引に影響を与えます。
また、資金繰りの点から見ても、納期遅れは問題になります。
製造業では、まず、材料仕入や従業員の給料、水道光熱費など、製品を製造するために費用が掛かります。売上よりも前に、多くのお金が社外流出することが多いです。また、最終消費者を顧客とする小売業などと異なり、BtoB取引の多い製造業の場合、売上を行っても、すぐには現金が入ってこず、売上と入金の間にタイムラグがあります。
製造から売上までの間、そして、売上から入金までの間にも、費用は掛かり、お金は社外流出していきます。もし、納期遅れが発生して売上が遅れることがあれば、その間も現金は出ていきますが、その分現金が入ってくるのは遅くなります。お金は出ていくが、お金が入ってくることが遅れることになりますので、納期遅れは資金繰りに影響します。
会社は、たとえ、決算上で黒字であっても、支払が滞ると倒産します。もちろん、現預金が十分にあれば、短期的には、問題ありません。しかし、現預金に余裕がない場合は、大問題です。
資金繰りは、主に経営者が考えることではありますが、ぜひ、現場の方にも、意識いただき、納期遅れは起こさないようしっかり納期管理をしていただければと思います。
氏名:榊原 由佳 所属:(株)テクノア IT経営プロジェクト 入社後6年間、中小製造業様向け生産管理ソフト「TECHS」のカスタマーサポート部において、サポート業務に従事。 2021年3月より、IT経営プロジェクトに異動し、財務分析から課題を抽出して、TECHSを通したIT提案で解決するコンサルティングサービスを通して、中小製造業様のIT経営を支援しています。 |