第4次産業革命で購買・調達業務もデジタル化へ QCD改善に劇的効果を期待
バズワードとしての「インダストリー4.0」が落ち着き、第4次産業革命がいよいよ一人歩きを始めた。
これまでは製造業、特に工場の設備や工場同士をネットワークでつないで稼働を最適化して生産効率を上げようという製造領域の話が中心だったのが、いまや設計から製造、サービスまで一連の流れまで話が広がっている。
また機械学習や人工知能にも関心が寄せられている。
さらに、中小企業も取り組まなければならないという意識が芽生え、自分たちの規模でできることは何かを探し始めた。
いったん動き出せば日本は強い。
これからどんな取り組みが出てくるか楽しみだ。
一方、この流れのなかで唯一、あまり話題に上ってこない領域がある。
それが調達や購買などの分野だ。
製品を構成する材料や部品など「直接材」は、製造原価に直結し、1社調達によるリスク回避もあり、より良い調達先や代替材料の開発に余念がなく、以前からコストダウンが進められてきた。
一方、製品を作るために使われる装置や工具、消耗品といった「間接材」は、昔からの販売ルートと商習慣が手つかずのまま、変わりなく続いている。
一部の人はここを「最後に残った聖域」と捉えている。
製造業のあり方が大きく変わる今、間接材の調達にメスを入れることは、大きな価値が生まれる可能性を秘めている。