生産管理システム化の前に考えること|元トヨタマンの目
1.生産計画
■トヨタの生産計画(あるべき姿)……1ヶ月単位でプールの状態を作る
(1)月間生産計画(要員は1ヶ月単位で応援受援を実施)
トヨタ(1ヶ月間日当り生産種類、数量ともに一定)……1ヶ月間は同一の要員で運営できる
↓
1次下請(1ヶ月間日当り生産種類、数量ともに一定)……1ヶ月間は同一の要員で運営できる
↓
2次下請(1ヶ月間日当り生産種類、数量ともに一定)……1ヶ月間は同一の要員で運営できる
↓
3次下請(1ヶ月間日当り生産種類、数量ともに一定)……1ヶ月間は同一の要員で運営できる
↓
4次下請(1ヶ月間日当り生産種類、数量ともに一定)……1ヶ月間は同一の要員で運営できる
(2)組立ラインへの仕掛け順番
すべての種類がバラバラになるようにする ⇒ 定期便に等量が乗るようになる ⇒ かんばんを回転させることができる
*お客様からのオーダーは車両完成の3日前まで受け付ける。
ひょっとして月初の予定より多くなってしまった場合は、後ろずらしになっていく。
(理由:1ヶ月間は要員が固定されているため増産ができないため。無理に増産したら労働強化になってしまう)
■ある中国企業の生産計画……荒海の状態のまま
ある企業(営業がいろいろ注文をしてきて一定しない)……繁閑に関係なくフル生産の要員を抱える
↓
1次下請(注文にバラツキがあり右往左往)……繁閑に関係なくフル生産の要員を抱える
↓
2次下請(注文にバラツキがあり更に右往左往)……繁閑に関係なくフル生産の要員を抱える
↓
3次下請(注文にバラツキがあり更に更に右往左往)……繁閑に関係なくフル生産の要員を抱える
*下にいくほどバラツキ・混乱が増幅される
2.生産管理
■トヨタの部品受け入れ(あるべき姿)
<納入検査はしない>……(理由)1個流しラインの中にポカヨケや順次点検が組み入れられていて不良品は即発見できる
*外注メーカーからの納入であれ、トヨタ他工場からの納入であれ、トヨタ工場内からの納入であれ、「前工程からの納入」ということでは同じことである。
外注メーカーからの不良が特に多いということなら、乗り込んでいってきちっと指導し、内製と同じ品質で作れるように指導しなければならない。
トヨタはこれを徹底してきて、トヨタ内製と同レベルにした。
<数量確認はしない>……(理由)工程中に不要な在庫は一切ないため、数量不足納入があった場合、即ライン停止となるため分かる
■ある中国企業の部品受け入れ
<納入検査:全点実施>(不良が多く発生するため、すべて記録して部品メーカーへ返品)……(理由)ロット生産でライン化していないため工程内では不良を発見しにくい
<数量確認:全点実施>……(理由)工場内は在庫が多く、数量不足は発見できない
3.今後の進め方
(1)工場の生産はオーダーが安定すればするほど効率化が図れる……このことを営業と工場が真剣に話し合いあるべき姿に少しでも近づける努力をする
(2)ロット生産から1個流し・ライン化を模索する
(3)生産管理のシステム化を行なう……現状では「倉庫」はどうしても必要になる。よって上記を十分に踏まえて内製で生産管理システムを考える(内製なら安価だし、修正が即できる)。