現場改善用語集【TQC】
チラッと耳にした重要そうだが聞き慣れない用語、実戦で知っておくと改善が面白くなりそうな用語、度忘れしそうなのでメモしておきたい用語などを集めた用語集です。
TQC(てぃーきゅーしー)(total quality control)
総合的品質管理(Total Quality Control)のこと。
製造現場や技術部門だけで品質を管理していても良くならないとの考え方から、それ以前の統計的品質管理(SQC:Statistical Quality Control)に対して生まれた語。みんなでやるという意味で全社的品質管理(CWQC:Company-wide QC)とも言われる。
提唱者のファイゲンバウムによれば、TQCは品質を安定化し、さらに改善するためのすべての活動であるとしている。現在さかんに言われている品質経営も、もとをただせばTQCの考え方そのものにほかならない。
ところが、わが国におけるTQCは、QCサークルという独特の小集団活動とキャンペーンイベントの代名詞のようになってしまった。その後、より広い意味を持たせて control の代わりにmanagement を用いてTQMと呼ぶようになったが、看板を取替えただけという観は否めない。
今どき、大々的にTQC・TQMを声高に言う会社は珍しくなってしまった。ということは、それだけこれらの考え方が広く定着し一様に成果を出しているのか、あるいはどの会社も見切りを付けてやらなくなっているのか、どうも後者の方が正しいようである。
日本経済の発展における「品質」の貢献は計り知れないほど大きいが、結局のところ「品質」の本質を把握しきれずに、流行に踊らされている会社が多いというのが実態ではないだろうか。