現場改善で「仕事の流れ」が変化するスピードを上げる KZ法【9】

現場改善で「仕事の流れ」が変化するスピードを上げる KZ法【9】

5月29日の号で私はこう書きました。

 

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これからたくさんのお客様を獲得し、たくさんの商品を作るのです。

そのためにまず必要なのは場所です。

これがなければ将来構想は絵に描いた餅です。

目の前にある使わない要らないモノをもったいないと言って、
将来の可能性をつぶしていいとは思いません。

将来の可能性をあきらめることの方がずっともったいないと私は考えます。

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読んでくださった方から、このことについてもう少し具体的に話してほしいとのご連絡をいただきました。

今回はそのお答えです。

 

下に示した図をご覧ください。

これはKZ法を実行したたくさんの会社での実績をまとめたものです。

左側の四角のわくの中が最初にKZ法を実行した時のことで、みんなでワイワイガヤガヤと議論するところから活動が始まります。

右側の四角のわくの中は結果の経営成果です。

そしてその二つのわくに挟まれている小さな矢印で結ばれた四角が実行した改善なのですが、一番たくさん矢印が出ている改善成果(真ん中の上にある赤く塗ってある四角)が「まとまった空きスペースの拡大」でした。

すなわち場所を生み出すことはその先の改善へのポテンシャルとなり更なる成果を生んだのです。

 

これは私にとってもとても意外な結果であったのですが事実です。

柿内_KZ法9_001

これからの厳しい変化の時代に生き残り勝ち進むためには、よりお客様に近付いてニーズに合ったモノづくりをすることが求められます。

お客様も品種も増えていくことでしょう。

それに対応するためにはまず場所が必要です。

しかし多くの工場が既にモノで溢れていて新しい仕事などとても無理無理といった状態です。

しかし銀行からお金を借りて新たに土地を買うというリスクも犯せないし、ということで将来を諦めていたらもったいない!

それがKZ法で場所を生み出すことの大切さなのです。

32号の写真をもう一回見てください。

KZ法は完全にノーリスクです!!
柿内_KZ法9_002


◎現場改善No.1コンサルタント。大手自動車メーカーにて、一貫して生産効率改善(IE)を担当し、その改善手腕を見込まれて、社命にてスタンフォード大学大学院に留学。帰国後、若くしてIE責任者として、全国の主力工場を指導、抜群の成績をあげる。 ◎現在、 柿内幸夫技術士事務所の所長 として、自動車、家電、食品、IT関連メーカーなどを指導。「現場で、全社員が一緒に改善する実勢指導」という独自のノウハウで、社長・工場長はもとより、現場の人たちから絶大な信頼をよせられる。中小企業のドロ臭さと、最新鋭の工場ラインの双方を熟知した手腕に、国内だけでなく欧米、中国、アジアの工場の指導に東奔西走する毎日である。 ◎1951年東京生まれ。東京工業大学工学部経営工学科卒業、スタンフォード大学修士課程修了、慶応大学にて工学博士号取得。 ◎著書「最強のモノづくり」(御沓佳美 共著)「“KZ法”工場改善」「儲かるメーカー 改善の急所〈101項〉」、「5Sでつくる高収益工場ビデオ」「図解でわかる生産の実務 現場改善」「現場改善入門」「現場の問題解決マニュアル」他多数。平成16年日本経営工学会経営システム賞受賞。工学博士、技術士(経営工学)。