現場での雑談は大切です【1】
私はほぼ毎日、全国のお客様の会社に伺って改善の指導をするのですが、会社にいる時間の半分は現場にいます。
そこで何をしているかというと、社長をはじめ皆さんと一緒に現場を見て問題を発見したり、その場で改善を実行したりが半分。
そしてそれと同じくらい時間をかけているのは実際に改善が実行された職場に行って、実行された方とその改善を見ながらいろいろなお話を聞いたり意見を述べたりといった会話をすることです。
明確なテーマに基づいた“雑談”です。
その時に私が一番聞きたいのは苦労話です。
コンサルタントに対して社長もいるところで自分がやった改善を話すとなるとどうしても成功談になりがちですが、一回でさっと結果が出るほど簡単な改善ではないことは私には分かります。
もし自分でやったらどうなるか…などを想像すればすぐ分かることです(私自身が不器用なので、こういうことには鋭いのです)。
きっと何回も失敗したり、一人ではできないので誰かに助けを頼んだりといろいろなご苦労があったに違いない!
柿内 :この改善、すごいですよね。でも結構ご苦労された感じします。
Aさん:私一人でやったわけではありません。Bさんにも手伝ってもらってます。
柿内: そうなんだ!じゃぁBさんにも来てもらおう。
(Bさん、呼ばれて慌てて来る)
柿内:Bさん、Aさんの改善、手伝ってくれてありがとうございました。これすごいですよね。ちょっと苦労話を聞かせてください。
Bさん:実はこの治具を作る工具が無くて、別の部署に借りたんです。
社長:エーッ、そうなんだ! 必要な工具はすぐ買ってください。そんな大切なことで遠慮しちゃだめだよ。
こんな感じで会話が進みます。
そしていろいろな見えないところにある問題点がぞろぞろ出てきて更なる解決に向かいます。
“雑談”というと何か不謹慎なイメージがあって“仕事中にしちゃだめでしょ”的な雰囲気を感じる方もおられると思いますが、実は改善においては貴重な手段です。