特許は本当に儲かるのか!?
特許は儲かると聞きます
主婦の発明で有名なものでは、「初恋スリッパ」というスリッパのかかと部分がない発明があります。
そのスリッパを履くと、かかと部分がないため常につま先立ちになるため履いているだけ痩せるというものでした。
このアイデア発明は爆発的にヒットして、数億円を稼いだと言われています。
また、小学6年生の女の子が、ペーパースコップを作って犬の糞取りにした発明は数千万円稼いだとも言われています。
さらに、ソフトバンクの孫正義氏は、アメリカで英語の電子辞書を20代の頃開発し特許を取り売り払い2億円を手にしてソフトバンクの礎を作ったとも言われています。
よく飲み会とかでも何かいいアイデアを言うと「特許とったほうがいいよ!」なんて他人事のように冗談で言いますよね。
特許を取ると本当に儲かるんですか?と聞かれることもあります。
はじめの例を見ると発明はやはり儲かるのだなと思うかもしれません。ですが、実際に発明をして特許で稼いでいる方はほんの一部です。
年間約30万件の特許が出されていますが、実際に使われている特許は5%ほどといわています。
たとえば、菅直人元首相も麻雀の自動点数計算機について特許を持っていますが、その技術が世の中で使われて特許で儲けたという話はありません。
はじめの主婦や小学生の例も特許ではなく発明が稼いでいると考えられます。
特許が儲かるのではなくて独占した商品で儲ける!
それでは、特許はとっても儲からないから取らなくてもいいじゃないかと思われるかもしれません。
でもなぜ多くの企業や個人の方が年間約30万件も出しているかというと、特許は特許自体が儲けるのではなく製品が売れた時に防波堤の役目を持つことをわかっているからです。
たとえば、あるヒット商品ができてバカ売れしたとします。
バカ売れした商品はすぐに類似品が出回りヒット商品の利益を奪っていきます。
また、類似品は真似するだけですので自分が作ったものよりも安価に製造することができるため自分のヒット商品よりも売れる可能性があります。
類似品が参入してくることを防ぐ防波堤の役目を持つのが特許なのです。
結局特許がお金を儲けるのではなくヒット商品がお金を稼ぎ、そのヒット商品が売れ続けることができるための防波堤となるのが特許なのです。
特許の条件で厳しいことは売ったあとは原則として特許をとることができないことです。
販売して売れたから特許をとろうと思ってもその時には取れないのです。
「特許は宝くじ」とよく言われています。それは、売れるか売れないかわからなくても特許を出さなくてはならないからです。
そのため特許が儲かるものではなくヒット商品を守るものということを知っておいて、売れる可能性がありそうなオリジナルのものを作ったら一度特許を取るか検討してみるのがいいです。