災害時、トヨタのラインが一番早く止まる|元トヨタマンの目
以前の西枇杷島の水害、今回の中越沖地震などで部品メーカーが被災したがその場合、自動車メーカーの工場で真っ先に稼働できなくなったのはトヨタだ。
これはすべての工程に不要な在庫が一切ないという証明であり製造業としては誇るべきことである。
トヨタ以外の自動車メーカーは結構長く稼働していたが、これは逆に工程内に不要な在庫がいっぱいあることを明確に表わしていることになる。
もし私がトヨタ以外の自動車メーカーの社長なら「在庫が多いことが世間に分かってしまって株価が落ちたりしてはまずいから、トヨタと同時にラインを止めろ!」と指示するだろう。
なのにマスコミは「これはトヨタのかんばん方式の欠点ではないのか。在庫を持つように見直しすべきではないのか」という論調になる。
何万という部品の在庫をいったいどうやって持てというのか。
ラインが止まれば臨時休業にして、後日、土日で稼働して年間稼働時間をあわせればいいだけだから、会社としては痛くもかいくもない。
部品メーカーが稼働できなくなったなら、トヨタの総力を挙げて復旧すればいいだけだ。
もう少しマスコミも世間の人も、ものづくりについて勉強してほしい。