潔癖症?|元トヨタマンの目
人間とは細菌を多く持っている。
その人間が調理をして、それを同じ人間がその料理を食べる。
人間が調理をする際、その料理には2つ細菌が入るルートがあるのではないだろうか。
それは調理する人の口から出るツバが料理に入る場合と、調理する人の毛髪が料理に入る場合だ。
それを防止するために、調理人はマスクと頭巾・帽子を着用する。しかし世間を見渡してみても、この防止策が実施されている場合と、実施されていない場合がある。
それではまず、実施されているのはどのようなところであろうか。
食品を工場でつくり不特定多数に出荷する場合
コンビニ弁当の製造工場や東京バナナの製造工場などをテレビで紹介していたが、マスクどころか、着衣などもすべて消毒する徹底ぶりだった。
この理由を考えてみると、製造してから消費されるまで時間がかかるため、その間に細菌が培養してしまう可能性があるからではないだろうか。
さらに消費者が包装を開いて、もしそこにだれのものか分からない毛髪を発見したらどうであろうか。気持ち悪くて卒倒してしまうであろう。企業の自己防衛としても衛生には徹底的にお金をかけておいた方が得策だ。
病院や学校の給食をつくる場合
つくってからすぐに消費はしてもらえるが、消費者の体力が弱いため、極力細菌を入れないほうがよい。
これらに反して、世間一般の食堂はほとんどマスクなどは付けずに調理して、お客に料理を出す。
これはなぜかと考えてみた。
①ツバなんかどれだけ入っても、すぐに消費してくれるから、細菌が培養する時間がなく、人体への影響は出ない。
②さすがに頭巾などはほとんど着用しているが、万が一入っていても、お客としても誰の頭髪か分かるため、許容できてしまうのではないだろうか(自分のものかも知れないし)。
デパチカではショーウインドウの中に食品が置かれ衛生的だと思うが、いちいち客の要望に店員が対応しなければならず、人件費がかかってしまう。
スーパーなどは個別にパッキングして置いてある。これでは逆に事前準備に多大な工数がかかってしまう。
そこで食品を裸のまま置いて、お客に好きなだけとらせるという方法を見かけるが、これではお客のツバも大量に入ってしまう。
トヨタ生協ではショーウインドウの前面のガラスがスライド式になっており、お客が自分でそこを開けて取り出せるようになっていた。
そして張り紙がしてあった。「衛生のため、扉は必ずきちっと閉めておいて下さい」。さすが世界のトヨタ!
また、コンビニのおでんなどはレジの真横にフタもせずに置いてあり、お客と店員のやりとりが頻繁になされ、極めて不衛生としか思えない。
あるコンビニチェーンでは、衛生面で自信が持てないということで、おでんは出していないそうだ。
このようなことを考えながら暮らしていたある日、テレビでタレントの久本雅美さんが次のようなことを言っていた。
「レストランなんかでウェイターやウェイトレスが料理を持ってきて『お待ちどう様でした』と言われるのがいやなんです。なぜかと言えば、その人のツバがせっかくに料理に入ってしまうから。
焼肉なんかなら、一度焼くからまあ仕方ないかと思うけれど、そのまま食べる料理はやっぱりいや。でも仕方ないから食べますが。
でも知った人同士なら全然問題ない。料理にどれだけツバが入ってもバクバク食べちゃうんです」
私自身少し潔癖症ではないかと心配していたので、彼女の感覚は私の感覚とまったく一致していたため、少し安心しました。