洗い加工で質感が大きく変わります。|ラオス縫製工場の日常
縫製にあたって洗い加工は、衣類の雰囲気や質感を決める重要な過程です。
以前のブログに書きましたが、洗い屋さんは、縫製工場にとって、なくてはならないパートナーです。同じ生地を使っていても、洗い加工の違いで、上品柔らかい質感を出したり、あるいは逆に、古着のような質感を出していくことも可能です。
CBC Laoが、いつもお世話になっている洗い屋さんは、ベトナム人がオーナーの洗い屋さんです。小ロット・多品種なため、いつもたくさんのサンプルの洗い、少量の商品の洗いですが、いつも丁寧な洗い加工を施してくれます。
今回は、CBC Laoがどんな洗い加工を洗い屋さんにお願いしているのかを紹介していきます。
ワン・ウォッシュ
一度、洗うことで生地についていた糊等を落とすために洗います。また、洗うことで、生地が縮むので、サイズが安定することになります。
バイオ・ウォッシュ
セルラーゼ酵素を使って洗うことで、生地を柔らかくします。
ヘヴィ・バイオ・ウォッシュ
セルラーゼ酵素を用いて「強い」洗いをすることで、生地を柔らかくするともに、あたりを出し古着のような質感をだします。基本的には、バイオ・ウォッシュと方法は同じですが、洗いの時間等を増やすことで、少し使い古した質感を出すことができます。
※白い部分があたりです。
バイオ・ボール・ウォッシュ(ストーン・ウォッシュ)
セルラーゼ酵素を使ってあるときに、ゴルフボールなどと一緒に洗うことで、よりあたりを出し古着のような質感を出します。ストーン・ウォッシュと書いてあっても、このバイオ・ボール・ウォッシュのこともあります。洗う時に、本当に石を使うと、検針機にひっかかるので、商品が出荷できなくなる場合があるからです。
シリコン・ウォッシュ
シリコン柔軟剤を使って、風合いを柔らかくしたいときに使います。コットン・リネン(麻入り)のシャツなど、バイオ・ウォッシュをすると、生地が破けてしまうときにも、このシリコン・ウォッシュを使うことがあります。
ブリーチ
漂白加工により、色を落とします。
おそらく以上が基本的な洗の種類になります。上記の洗いを施した衣類に、さらに次のような加工をすることもあります。
オーバーダイ
ブリーチ等で色を落とした上で、染色することで、独特の古着のような質感を出していきます。
スプレー
バイオ・ウォッシュやブリーチで色を抜いた上で、白などの色を吹きかかけていくことで、膝や尻の部分のあたりを再現します。また、デザインのアクセントとして使うこともできます。
擦り
軽石などで、擦ることであたりを再現していきます。
洗い加工は、ちょっとした使う洗剤・酵素などの量の違いで、雰囲気が大きく違ってくるので、そこが洗い屋さんの腕の見せどころだったりします。
CBC Laoでは、洗い屋さんと協力して、デザイナーさんのイメージする雰囲気を出していけるよう、日々努めています!