決められた通りの作業を維持するための作業標準書
1.作業手順の意図・目的を理解させる
作業標準は、個人の判断による曖昧な作業により、図面通りの製品品質が造り込めないといったことをなくすものである。
適切な作業標準があっても、その作業手順の意図・目的が理解されてない場合(=手順通りしないと、どのような影響があるのか)、効果が半減されてしまう。
作業手順のみを教えるのではなく、その手順の意図・目的を作業する人に理解してもらうことが重要である。
(例)この作業標準を守れなかったどうなる→燃料漏れが発生(それにより機能不具合ひいては車両火災発生の恐れ)
2.守れる作業標準作り
守らなければならない人自身が意見を出し、作成に参加することが必要である。
頭で考えた標準では、守れない・守られない標準となってしまう。
自分のレベルでやれる・やれないの判断をするのではなく、全くの素人でも実施できる内容にしなければならない。
標準作業を守れない理由の多くは、『作業のやりにくさ』に起因している。
3.具体的・客観的で読み手に親切な標準
『まずい表現』→『判り易い表現』
『強く締める』→『2.5±00.1N・mの力で締め付ける』
『十分に塗布する』→『全周に1cmの幅で塗布する』
『しっかりと組付する』→『両端面が密着するまで押し込む』
『間違いのないように取付ける』→『AとBの表示が一致することを確認後、取付ける』
4.改善・維持・改訂を継続し、『常に未完成』と考える
標準作業は一度作成したら終わりではない。
常に高い目標を掲げ、改善し続けること。
進歩の足かせとなるようではいけない。