汎用旋盤、セーパーの適正価格

汎用旋盤、セーパーの適正価格

こんにちは。

少し前の話ですが、汎用旋盤とセーパー使ってた職人さんが、高齢のためあと半年で退社されるので、加工してくれるところ探していると、D社さんが来社されました。似た話をよく聞きますが、問題は価格です。

おそらく延長雇用職人さんの給料が出れば良い位の設定だったと思いますが、それでは現役職人はやっていけません。ここのところ、昔の技術を求めて声を掛けてもらってますが、価格の再評価が次の課題かと思います。

 

「年金もらいながら、小遣い程度の給料や工賃」でやっていたのを適正価格に戻してもらわないと、技術に対しての評価自体が誤ったものとなってしまうような気がします。

それぞれに事情がありますので仕方ないのですが、このような仕事?の仕方や価格を基準としては、社会全体的に見てもいかがなものかと思います。現役の職人方(特に昔の技術を持っている方)の生活が成り立たなくなり、製造業界が衰退の方向に向いているように思います。

NC機の普及につれて、個人の技術力の低下が明確になってきています。人口知能やロボットも同類だと思ってます。言葉、文字、数値、画像、映像などに現すことの出来ない技術をあまりにも軽視しすぎているのではないでしょうか。やがては、人間能力の否定につながらないかとも思っています。悲しいことと思います。

 

人工知能やロボットあるいは最先端の工作機械を否定しているのではなく、それらを支えている基礎の技術を軽視しすぎだと私は思います。この基礎の技術を適正に評価する為に、昔の技術を使った仕事の価値(価格)の再評価が必要だと思います。そうしないと、先輩職人方より長年伝承されてきた技術が途絶えてしまいます。

~基本を大切にした技術伝承~汎用旋盤職人養成


1963年大阪生まれ。西尾鉄工所代表。旋盤師、伝統技術継承者◎祖父の代から80年続く大阪八尾市の町工場の三代目。「職人道」を極めた先代のもとで、13才から弟子入りし、昔ながらの職人技を叩き込まれ、家業を一人前にこなした。工業高校卒業後、中堅工作機械メーカーに就職。工作機械(機械部品を産み出す母なる機械。マザーマシンとも呼ばれる)の構造を隈なく学び、23才で独立。最先端コンピュータで制御された「NC旋盤」に対し、職人の「技」と「勘」が頼りの「汎用旋盤」(職人の手で動かす旋盤)をこよなく愛し、現在に至るまで、その加工にこだわり続けてきた。数少ない伝統技術継承者の一人。◎若い世代の人材不足、技術伝承に危機感を持ち、2016年「汎用旋盤職人養成講座」をスタート。教材用に独自開発した「汎用フライス盤」は、設計、加工、組立・調整をすべてひとりでやり遂げ、自身の総合技術力の賜物となった。最近、営業下手な職人の殻を破り、SNSを駆使して「基礎の手技」の重要性を次世代へと訴える。また、異業種の職人を対象に、「いぶし銀の会」を立ち上げ、オリジナル製品の企画、開発など「未来の職人像」を探っている。コンピューター依存が加速する製造業の未来を受け入れつつも、「機械の前に人間ありき」と、代々受け継がれてきた職人の技と精神性の伝承に力を注いでいる。◎2014年「八尾市ものづくり達人懸賞」受賞、2015年日刊工業新聞「マイスターに聞く」掲載、「なにわの名工」受賞◎西尾鉄工所ホームページhttps://nishio-tekkousho.jimdo.com/ 西尾鉄工所技術伝承 https://nishio-tekkousyo.jimdo.com/