書籍、雑誌バーコードの標準化動向

書籍、雑誌バーコードの標準化動向

日本では、1981年からISBN(Internatinal Standard Book Number)コード(10桁)、分類コード(4桁)、価格コード(5桁)を組み合わせた日本図書コードが使用されている。

桁数が多いことから、書籍POSシステムでは長年OCRが利用されてきた。

そして、1990年に(財)流通システム開発センターと書籍業界が書籍用バーコードの標準化に合意し、1991年からJANを2段にして利用する書籍JANコードがスタートした。

 

書籍JANコードは、2段のバーコードで構成されており、1段目は「978」から始まる国際標準コードのISBN用バーコードである。

2段目は、日本独自の図書分類と税抜き本体価格である。

1段目、2段目の情報はいずれもOCR-Bフォントで書籍の裏表紙、およびスリップに表示されている。

 

書籍へのバーコード表示により、取次会社では新刊の送品や注文品処理、返品処理の際に自動読取しており、物流のスピードアップとコスト削減を実現した。

書店ではPOSシステム、返品処理、棚卸し業務等に活用され、書店の単品在庫管理と売れ筋・死に筋管理に威力を発揮している。

 

しかし、海外の書籍標準バーコードはEAN、またはUPCのアドオン(付加)シンボルであるため、海外との調和が図れなかった。

そこで、2004年、日本でも定期刊行物(雑誌)コードに5桁のJANアドオンを使用することになった。

書籍JANコード

書籍JANコードは2段バーコードになっており、1段目は「978」で始まるISBNプリフィックスで、ISBNコードであることを示す。

ISBNコードは、従来10桁の数字で表していたが、2007年からプリフィックスの3桁を加えた13桁に変更された。

 

2段目は、「192」で始まる書籍JAN2段のプリフィックスで、このシンボルがJAN2段形式で構成されていることを示す。

このフラッグは、当初は「191」であり、消費税3%を含む内税表示であったが、消費税が5%に上がったのを期に、1997年4月から税抜き本体価格に変更すると共にフラッグを「192」に変更した。

 

分類コードは4桁の日本図書コードである。

価格コードは、5桁の税抜き本体価格である。

チェックデジットは、モジュラス10を使用する。

バーコードの目視文字は、OCR-Bフォントで表示する。

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定期刊行物(雑誌)JANコード

雑誌はコンビニエンスストアなど食品・雑貨店で広く販売されていることから、JANシンボルのソースマーキングが必要になった。

そして1985年に共通雑誌コードを策定し、1986年1月から利用されている。

 

雑誌JANコードは、タイトルと発行号数で単品を指定すると共に、定価表示が求められていた。

そこで、取次業界でタイトルコードとして使用されていた「雑誌コード」に「月号」と「定価」(10円単位)を加え、一般のJANコードと区別するために「491」を雑誌フラッグとした。

 

その後、1991年12月にフラッグを「10」に変更、定価を3桁にして1万円未満の表示ができるようにした。

さらに、1997年4月から消費税が5%に変更されたのに伴い、フラッグを「11」に変更した。

その後、1995年から消費税の変更、新聞への展開、発行年号表示などの対応を検討してきた。

 

そして、2004年6月から現行の13桁のJANコードに5桁のアドオンコードを付加することになった。

雑誌フラッグは「491」で始まり、次に1桁の予備コード1を設け、当面雑誌コード「0」を使用する。

将来的には、5桁の雑誌コードが満数になった時や新聞等の定期刊行物への拡張に利用する。

 

次に、2桁の月号コードと1桁の年号コードを設ける。

年号コードは、西暦の下1桁とする。

アドオンコードの最初の1桁を予備コード2とし、当面は「0」とするが、非再販商品や消費税など必要に応じて使用を検討する。

アドオンコードの残り4桁は、本体価格を円単位でコード化する。

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提供:アイニックス株式会社


アペルザニュース編集部です。日本の製造業、ものづくり産業の活性化を目指し、日々がんばっています。