旭化成、生成AIで材料の用途探索と技術伝承を効率化 選別時間40%削減も実現
この記事の内容をまとめると…
- 生成AIを用いた材料の新規用途探索や製造現場での技術伝承を開始
- 用途候補の自動抽出やリスク予知の効率化により、競争力強化とリスク低減を推進
- 社内教育や生成AIモデルの内製化など、個人・組織での活用を促進
旭化成株式会社は、生成AIを活用した新規用途探索の自動化や、製造現場における技術伝承の取り組みを開始した。蓄積された無形資産を活用し、競争力強化と事業上のリスク低減を目指す。
生成AI活用詳細
新規用途探索では、専門人材と事業部門が連携してAIを開発し、文献データから用途を自動抽出する仕組みを構築。すでに6,000件以上の用途候補が抽出され、ある材料では選別時間を約40%削減した。生成AIにより、短時間で専門家と遜色ない提案が可能となり、今後は材料化学や医療分野への展開や、他社製品の技術分析による協業先選定にも応用が見込まれている。
製造現場では、危険予知活動に生成AIを導入し、経験の浅い社員でも過去事例をもとにリスクと対応策を抽出可能となった。安全性と効率性を高めつつ、ノウハウの継承にもつなげている。将来的には、工場内の画像・音声データを解析して作業中の危険回避にも対応する予定である。
どのように活用する?
個人利用では、Microsoft 365 Copilotなどの既存サービスを活用し、デジタル教育「旭化成DXオープンバッジ」内で生成AIコースを設置。月間2,157時間の業務時間短縮を実現している。
組織利用では、2023年12月より社内システム開発者向けに生成AIモデルの利用基盤を公開。専任組織による支援のもと、各組織での内製開発が可能となり、書類監査対応では年間1,820時間の時間短縮を達成した。