日本金属、小型高速モータ用『STシリーズ』材料データをJMAGに搭載—設計入力不要で開発効率化
この記事の内容をまとめると…
- 小型高速モータ用極薄電磁鋼帯「STシリーズ」の材料データが電磁界解析ソフトウェア『JMAG』に搭載
- 厚さ0.050〜0.150mmの極薄鋼帯で高周波領域における低損失特性を発揮
- モータ設計・開発の効率化や高効率化・小型化に貢献
小型高速モータ用の極薄電磁鋼帯「STシリーズ」の材料データが、株式会社JSOLが開発する電磁界解析ソフトウェア『JMAG』の材料データベースに公式に搭載された。これにより、ユーザーは材料データを入力する手間が不要となり、モータ設計や開発プロセスの効率化が可能となる。
STシリーズ詳細
STシリーズは板厚0.050〜0.150mmの無方向性極薄電磁鋼帯で、従来の一般的な電磁鋼帯(例:板厚0.35mm)に比べ大幅な薄型化を実現している。これによりモータ内部で発生する渦電流損失を抑制し、400Hz〜20,000Hzの高周波領域で優れた低損失特性を発揮する。小型高速モータの高効率化・小型化に寄与するだけでなく、ドローン、精密機器、医療機器、航空宇宙機器、電動工具など幅広い分野での利用が見込まれている。
また、この鋼帯は同社独自の環境配慮製品「エコプロダクト」に認定されており、2050年のCO2排出量ネットゼロを目指す取り組みに貢献している。
仕様・スペック
JMAGバージョン | Ver.24.2 |
---|---|
ST050 | 板厚0.05mm |
ST080 | 板厚0.08mm |
ST100 | 板厚0.10mm |
ST150 | 板厚0.15mm |
その他
同社の方向性極薄電磁鋼帯「GTシリーズ」もすでに多くの実績を持ち、STシリーズと合わせて高効率モータや次世代パワーエレクトロニクス機器、インダクタなどに活用可能である。さらに、同社グループの長年にわたる圧延技術により、日本で唯一板厚0.1mm未満の極薄電磁鋼帯を提供している。