日本の製造業の救世主となれ!マインドフルネス
数年前までは、我が国のものづくりの技術は、世界の中でも際立って優れていた。しかし、「ものづくり大国日本」の牙城が崩されつつある。我が国製造業の大黒柱、自動車産業もEV市場拡大にともない、産業構造の激震が起きている。
AIに詳しい東京大学大学院 松尾豊特任准教授は「国内産業でAIを本格的に活用したり、海外に輸出したりすれば、その経済効果は600兆円どころじゃない」と語る一方で、「日本はAIに関して米国に勝つ気はない」と厳しく指摘する(日本経済新聞 電子版 2017/03/10)。産業構造の変化が起きている今日、従来の技術開発の考え方では、世界市場に対し、太刀打ちできない非常事態にある。
今こそ、新しい技術開発に取り組まないと手遅れだ。
そこで、「どう動き始めるのが良いのか?」私は、経営視点を持ち合わせたヒューマンスキルの専門家として、次のように考えている。
「すべての可能性は、人間の中にある」前提の元、新しい技術開発をするためには、先ず、その人自身の才能を最大限に引き出す方法をヒューマンスキルとして理解し、意図的に使えるようになることだ。
「自分は、人間として持ち備えた能力を十分生かし切った生き方・仕事をしているのだろうか?」このようなテーマは普段なかなか考える時間もないと思うが、年末年始に振り返るいい時期なので、立ち止まって考えてみてはどうだろうか?
皆さんのヒントになれば幸いだ。全3回で考えていきたいと思っている。
◆自分自身の能力を最大限に引き出したいときの引き出し方とは?
人が解決しなくてはならない物事に直面したときに、自分の能力を最大限引き出すためには、そこで起こる自分の思考を分析することが大切である。
普段、何げなく自然に行っている思考パターンを改めて意図的に分析するところから始める。そうすることで、冷静に自己分析ができ、自分が何をしたいと思っているかが見えてくると同時に新たな思考パターンが見え始める。
◆たとえば、AIとの付き合い方
技術開発をするにあたり、AIに任せられるところはどんどん任せて、人間しかできない領域に自分の思考を働かせることが重要だ。
人間しかできない領域とは、生み出したい価値(商品・サービス)→それを生み出すビジネスの仕組み→それを実現するために技術テーマ、を考えることである。AIができるのは、解決のテーマが明確になった後の深堀だ。その領域はAIを上手く活用し、自分自身の思考パターンは、より上流にて生かすよう働きかけるべきであろう。
◆今まで気づかなかった思考パターンに気づくのが『マインドフルネストレーニング』
「今まで気づかなかった思考パターンを改めて自己分析することで気づく」ことは、既に2500年以上もの歴史がある。人間の生き方の探求として、インド、中国、そして日本を含むアジア中心に「瞑想・坐禅」がその手法として行われてきたが、今、ここに至り、科学的思考技術としてマインドフルネストレーニングが表出された。
マインドフルネスの具体的な実践については次回にご紹介していく。
参考:エディフィストラーニング株式会社
参考:キヤノンITソリューションズ