日本の製造業が本来持っている強み【6】

日本の製造業が本来持っている強み【6】

南京に3日間出張しました。

タクシー配車、電車の予約、代金支払いなどにかなりの高齢者の方がスマホを活用していることや、ちょっと前まではなかった自転車レーンの設置など、あっという間に変わってしまうその変化のスピードに刺激を受けました。

 

私は2015年12月にサンフランシスコにあるGoogleとEvernoteの2社を見学する機会を得た。

その2社は世界でもトップを走るIT企業であるということから、私はそこでは有名大学で博士号を取得したたくさんの博士が自分の研究室にこもって研究をしているような姿を想像していた。

しかし実際に社内を見てみると現実は私の予想とは全く違うものであった。

オフィスには個人の研究室はなく、机の配置は普通の四角の机が並んで配置されておりパーティションもなく、まさに昔の日本の事務所のようであった。

しかし大きな違いは配置された机にあまり人がおらず、一方多くの人がそこここで立ち話をしていた。

廊下も含めた壁という壁はすべてホワイトボードであり、そこにはたくさんのメモが残っていた。

 

Evernote社を見学中に通りかかった通路で2人の女性と1人の男性が話し合っていた。

私はその人たちの会話に興味がありちょっと割り込ましてもらった。

その3人のうちの1人の女性は副社長、もう1人の女性はマーケッター、そして男性は技術者とのことであった。

その3人がそれぞれ別の部門の人たちなので、私はこのような部門間をまたがった話し合いをするに際して、上司の許可がいるのか?という質問をしてみた。

日本では部門をまたがった話し合いとなるとまずは「上を通してくれますか?」といったように上司の許可が必要といった堅苦しいプロセスが必要であることが多いからだ。

しかし彼らは私の質問を全く理解しなかった。

私の発音が悪いせいというより言っていることの意味が全く理解できないという感じであった。

そこで私は例えば日本であると部門をまたがる時はこのような準備が必要なことが多い……といった説明をしたところ、彼らはもしそんなことをしていたら今の時代の変化のスピードには全くマッチしないと笑って答えた。

 

Question:
私はホワイトボードをうまく活用することがいい答えを導く一つの大変有効な手段と考えています。
皆さんの会社ではホワイトボードをどう使っておられますか?

日本の製造業が本来持っている強み【6】

◎現場改善No.1コンサルタント。大手自動車メーカーにて、一貫して生産効率改善(IE)を担当し、その改善手腕を見込まれて、社命にてスタンフォード大学大学院に留学。帰国後、若くしてIE責任者として、全国の主力工場を指導、抜群の成績をあげる。 ◎現在、 柿内幸夫技術士事務所の所長 として、自動車、家電、食品、IT関連メーカーなどを指導。「現場で、全社員が一緒に改善する実勢指導」という独自のノウハウで、社長・工場長はもとより、現場の人たちから絶大な信頼をよせられる。中小企業のドロ臭さと、最新鋭の工場ラインの双方を熟知した手腕に、国内だけでなく欧米、中国、アジアの工場の指導に東奔西走する毎日である。 ◎1951年東京生まれ。東京工業大学工学部経営工学科卒業、スタンフォード大学修士課程修了、慶応大学にて工学博士号取得。 ◎著書「最強のモノづくり」(御沓佳美 共著)「“KZ法”工場改善」「儲かるメーカー 改善の急所〈101項〉」、「5Sでつくる高収益工場ビデオ」「図解でわかる生産の実務 現場改善」「現場改善入門」「現場の問題解決マニュアル」他多数。平成16年日本経営工学会経営システム賞受賞。工学博士、技術士(経営工学)。