日本の製造業が本来持っている強み【2】

日本の製造業が本来持っている強み【2】

日本のモノづくりのやり方は欧米のモノづくりと違うと考えています。

今回はそのことについてお話します。

 

ひとつの製品には必ず会社の全部門のかかわりがある。

企画から営業、生産、配達、代金回収を一人ですべてやるということはまずないだろう。

 

その製品を企画した部門から始まって、図面化し、注文を取り、工程を作り、材料を仕入れ、生産計画を作り、生産し、検査し、梱包し配達し、代金を回収するといったそれぞれの部門の人たちが、自分の役割にとどまらず現場でそのモノを前にしてワイワイガヤガヤとまじめな議論をすれば、必ずいろいろないい改善のアイデアが出る。

それぞれの部門だけではどんなに頑張っても出てこない全体最適の経営レベルのアイデアや具体的な改善の実践方法が現場で生まれるのである。

これはトップダウンで戦略を展開する欧米流のやり方とは真逆の、現場改善などの戦術実行を通じて戦略を形成する日本独特のアプローチである。

 

Question:
皆さんの会社では、文章にあるようにいろいろな部門の人たちが製品について一緒に語り合うという機会がありますか?

日本の製造業が本来持っている強み【2】

◎現場改善No.1コンサルタント。大手自動車メーカーにて、一貫して生産効率改善(IE)を担当し、その改善手腕を見込まれて、社命にてスタンフォード大学大学院に留学。帰国後、若くしてIE責任者として、全国の主力工場を指導、抜群の成績をあげる。 ◎現在、 柿内幸夫技術士事務所の所長 として、自動車、家電、食品、IT関連メーカーなどを指導。「現場で、全社員が一緒に改善する実勢指導」という独自のノウハウで、社長・工場長はもとより、現場の人たちから絶大な信頼をよせられる。中小企業のドロ臭さと、最新鋭の工場ラインの双方を熟知した手腕に、国内だけでなく欧米、中国、アジアの工場の指導に東奔西走する毎日である。 ◎1951年東京生まれ。東京工業大学工学部経営工学科卒業、スタンフォード大学修士課程修了、慶応大学にて工学博士号取得。 ◎著書「最強のモノづくり」(御沓佳美 共著)「“KZ法”工場改善」「儲かるメーカー 改善の急所〈101項〉」、「5Sでつくる高収益工場ビデオ」「図解でわかる生産の実務 現場改善」「現場改善入門」「現場の問題解決マニュアル」他多数。平成16年日本経営工学会経営システム賞受賞。工学博士、技術士(経営工学)。