衝撃映像!ツルッと毛が剥ける羊。日本企業が発明した羊の毛刈りレボリューション
「伸びた羊の毛の刈り取りを自動化したい」
もしあなたがウール製造会社からこんな相談を受けたら、どう対応しますか?
羊が自動的に毛刈り装置に入っていき、センサで羊の体との距離を測りながら、リアルタイムで制御をかけてハサミが毛だけを刈り取れる装置を作るなんてものを考える方が多いのではないでしょうか。
羊は個体差があり、毛を刈る最中に暴れます。センサの精度を上げたり、刈る前に麻酔をかけるなどすれば良いのでしょうが、なんせ生き物なので予測不可能な自体が多くあります。それらをすべて解決しようとしたら、装置の規模はどんどん大きくなり、かかる費用も増えるばかり。そうなると、結局は設備投資に見合わないから止めるなんてことが容易に想像できます。では一体どうすればいいのでしょうか。
画期的な歩法を開発したヒゲタ醤油
先の「伸びた羊の毛の刈り取りを自動化したい」という課題に対し、従来のアプローチを無視して、画期的な羊毛の毛刈り方法の開発に成功したのが、ヒゲタ醤油です。開発したのは「一定期間が立つと毛が抜ける酵素を羊に注射するという方法」です。
羊に酵素を注射した後、ネットを着せて、さらに毛が伸びるのを待ちます。ある一定期間経つと酵素の働きによって毛が抜けるようになるので、その時がきたらネットを脱がします。すると、卵の殻を剥くようにツルんッと羊と毛が分離します。従来の毛刈り方法を覆す画期的な方法としてニュージーランドやオーストラリアで話題になっているそうです。
なぜこんなことができたのか?その勝因は・・・?
発注者は「伸びた羊の毛の刈り取りを自動化したい」という要望でしたが、彼らはその先の本来のゴール「短時間で大量に集める方法が欲しい」というのを捉えられたことが大きかった。そして従来のやり方にとらわれず、アイデアを広げたことが成功の要因です。
普段私たちは、従来のやり方の延長や自分の知っている技術で対応することをつい考えがちですが、正解はそれだけではありません。発注に対して、その裏に隠された要望やゴールを見つけ、最短のアプローチをイチから考える。そんなことが大切だと痛感させられます。
参考:動画 BioClip Wool Harvesting System
参考:ヒゲタ醤油、研究開発への取り組み
参考:ヒゲタ醤油バイオ事業
参考:日刊ニュージーランドライフ、羊が一瞬で丸裸!日本の老舗企業が発明に大貢献