新しい流通商品バーコード「GS1 Databar」の標準化動向
2010年からPOSで使用
GS1 Databarは、2010年1月からグローバルな流通標準シンボルとなることが国際的に承認された。
これは、国際流通標準化機関であるGS1(本部ベルギー、108カ国加盟)が定めた標準バーコードの一つで、かつては省スペースシンボルRSS(Reduced Space Symbology)と呼ばれていた。
その特徴としては、JANシンボルに比べ、印刷スペースが少ないこと、消費期限やロット番号などの付加情報が表示できることである。
今後は、従来のJANと併用されることになる。
2014年から本格導入
GS1 Databarは、従来のCCDスキャン方式やレーザスキャン方式で読み取ることができるが、従来のバーコードリーダはソフト変更が必要であり、日本ではほとんどが未対応である。
そこで、GS1は一般消費財への世界的な本格導入を2014年からとし、それまでの4年間は、各国の判断で随時使用することになった。
米国では2010年から青果物(ばら売り)やクーポンに使用することになっており、日本ではアプリケーション開発と実証実験を継続することになっている。
いずれにしても本格導入はそう遠くないことから、システム更新時に早期対応をしておくことが重要である。
2次元シンボルの技術をバーコードに適用
GS1 Databarは、2次元シンボルの技術をバーコードに応用し、シンボルの最小化を図ると共に、バーコードの特長であるスキャニングで読み取りできるようになっている。
したがって、従来のCCDスキャナやレーザスキャナで読み取ることができるが、既存の多くのバーコードリーダは、未対応である。
理論的にはデコードソフトを追加することで対応できるが、CPU能力やメモリー容量からほとんど買い換えることになる。
シンボルは、JANと同じように左右に分かれており、それぞれの中央に2次元シンボルのようなファイダーパターンを持っているため、クワイエットゾーンを必要としない。
また、1シンボルキャラクタで複数桁を表現する方法も2次元シンボルの技術を利用している。
さらに、走査角度を広くとるためにファイダーパターンを含んで走査すれば、読み取りできるようになっている。
また、GS1-128との整合性が取れるように、リーダはアプリケーション識別子“01”を付加して出力するようになっている。
対象シンボルは4種類
GS1 Databarはオムニディレクショナル、トランケート、スタックド、スタックドオムニディレクショナルの表示形式がある。
また、GS1 Databarファミリーとして、梱包インジケータを“0”と“1”に制限したリミッテッドと、GS1-128のようにデータ連結ができるエクスパンデッドがある。
今回、GS1がPOSで承認したシンボルは、オムニディレクショナル、スタックドオムニディレクショナル、エクスパンデッド、エクスパンデッドスタックドの4種である。
主なアプリケーション
オムニディレクショナル、スタックドオミニディレクショナル
これらのシンボルは、DTINのみ表示のため、青果物や化粧品のような印字スペースのない商品に使用される。
エクスパンデッド、エクスパンデッドスタック
これらのシンボルは、GTINの他に賞味期限、ロット番号、重量などの情報を表示できるため、より高度な情報管理に使用される。
例えばお弁当の販売期限、クーポン券の使用期限、牛肉固体識別番号、食肉の計量値、値引率(金額)など。