教育が同じ内容でいいと知った出来事!!
教育というと常に新しいことを教えないといけないとか、常に違う内容を教えないといけないと思われている方もいるかと思いますが、決してそんな必要はないといいました。
部門や工程ごとに教えるべき項目があると思います。それらを順番に繰り返し教えていくことで構わないのです。
今でこそ、このように中国工場の従業員教育は同じ内容を繰り返すことでよいと考え実践しているのですが、実はわたしも中国駐在してしばらくは、違うこと、新しいことを教えなくてはいけないと思っていた1人でした。
今回は、そんなわたしが同じ内容の繰り返しでいいと知った出来事をお話したいと思います。
中国駐在中に購入部材の品質管理責任者をしていたのですが、会社の方針で所属は購買部門でした。
そんなこともあって直接の部下ではない中国人購買担当者の品質教育も担当していました。現地購買部門のISO管理も面倒をみていました。
外部審査や内部監査の前などには、中国人の購買担当者や事務員などにISOのおさらい教育をして審査に備えていました。
ISO審査対応が主目的でしたので、内容は決まっていました。毎回決まった内容を教えていました。
事務員はともかく購買担当者をやっているスタッフはそれなりに出来る人を使っていたので、同じ内容の教育では飽きているのではないかと勝手に思っていました。
ところが、何回かこの審査前のおさらいをやった後で、ある中国人購買担当者がこんなことを言ってくれました。
「毎回教育をしてもらっているが、今回は根本さんの質問や問題の答えが全部わたしわかりました。お陰でとっても自信になりました。」
毎回教育の後には簡単なテストをやっていました。
その答えを今回彼女は自信を持って書け、しかもすべて正解だったのです。
確か彼女にとっては、その内容は3回目の勉強会であったと思います。
この彼女の言葉を聞いて、ハッと思いました。
「そうか、1回や2回では身に付かないんだ」と。
目から鱗が落ちた瞬間でした。
彼女たちにとっても、教育の後のテストで満点やそれに近い点数を取ることは、自信につながることも理解できました。
そうした自信を持ったスタッフを1人2人と増やしていくことが重要なんですね。