改善の視点……歩留まり|元トヨタマンの目
消しゴム
トヨタの本社工場時代の話。
事務用消耗品の消しゴムは長方形をしている。当時、その消しゴムを半分に切って必要な人に配布していた。
ある人がこんなことを言った。
「消しゴムを使っていると最後には丸く小さくなって捨ててしまう部分がどうしてもある。1つの消しゴムを半分に切ると、その捨ててしまう部分が2つできることになる。だから消しゴムは切らずに各自に渡した方がいい」
しかしある人が反論した。「いやいや、そうすると各自が消しゴムという在庫を倍も机の中に持つことになる」
先輩たちのこの議論を聞いた時、私は激しい衝撃に襲われたことを覚えている。
「へーぇ、この人たちはこんなことまで考えて生活しているんだ」と。
まるで宇宙人にでも会ったような感じだった。
石鹸
石鹸は人がシャボンを発生させるために使用する。しかし風呂場の中に置いてあるため湯が石鹸に当る場合が多々ある。
そのような場合、石鹸は少量ずつではあるが溶け出している。歩留まりがあまりよくないといえる。
しかしボトルに入った液体ボディーソープの場合は、溶け出すことが絶対にないので歩留まり100%だ。