改善の考え方|元トヨタマンの目

改善の考え方|元トヨタマンの目

改善の基本は「現場をよく知ること」である。

 

<第1ステップ>

どんなことでも“事実は事実”として、忠実に観測することが大切である。
いささかも主観的判断を交えず、全面的に肯定しなければならない。

<第2ステップ>

しかし改善考察の段階に踏み込めば、徹底的に“現状を全面的に否定”するという態度でなければならない。

 

この「全面肯定・全面否定」に徹しきれず、改善が中途半端になってしまうことが多い。

 

ヘーゲルいわく

「我々は“未知”の畑だけからしか“知識”を穫り入れることはできないと思い込んでいる。

しかし実際には、もっと多くのものを“既知”と考えている畑から穫り入れることができるのである」

 

我々は“知らない”ことに対しては、いろいろな手段の探求を素直に行うが、

もし“それは知っている”と思っている場合は、

「もう他に方法はない」

「今までこれでやってきて良かったのだから、今更別の手段を考えることもないであろう」

と、積極的に“新しい手段の探求”をなかなか行わないものである。

結局それは、“現状作業の観察”を徹底して行わないことに問題があり、徹底して観察すると、実は“知ってるつもり”でも、本当は“よく判っていなかった”ということが度々あるものである。

この点にこそ、飛躍的な改善案が生まれる機会がある。

 

*新郷重夫「工場改善の具体化と実例」より


豊田生産コンサルティング株式会社代表取締役社長◎略歴 昭和30年(1955) 愛知県豊橋市生まれ 昭和53年(1978) 早稲田大学商学部卒業トヨタ自動車工業株式会社(現トヨタ自動車)入社 平成16年(2004) トヨタの基幹職チャレンジ・キャリヤ制度(他社への転出支援制度)によりトヨタを退職(退職時資格は課長級) オーエスジー株式会社オーエスジープロダクションシステム推進本部副本部長就任 消耗性工具(ドリル・タップ・エンドミル)専門メーカーで自動車関連以外の業種の現場改善活動に従事。 平成19年(2007) 豊田生産コンサルティング株式会社設立◎トヨタでの職歴(26年)人事部人事課海外関係人事 3年/財務部経理課輸出入経理、国内債権債務管理 3年/本社工場工務部原価グループ鍛造工場能率・製造予算管理、工場棚卸総括 3年/本社工場工務部生産管理室車体・塗装・組立工場生産管理 4年/米州事業部原価企画グループ北米事業体原価管理、北米生産車原価企画 3年/田原工場工務部原価グループ成形工場能率・製造予算管理、トヨタ生産方式部課長自主研 2年/田原工場工務部生産管理室エンジン・鋳物工場生産管理、トヨタ生産方式部課長自主研 8年◎本社部門(人事・財務・原価企画)9年、工場部門(本社工場・田原工場)17年と本社機能、工場機能のそれぞれを幅広く経験。特に工場では生産管理と原価管理という「石垣」づくりとトヨタ生産方式自主研メンバーとして「天守閣」づくりの両方に長年従事。